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アーク溶接作業の安全と衛生
(第2回)

4 感電(電撃)事故はなぜ起きるのか・・・その防止対策

4.1 感電による死亡事故1)

交流アーク溶接作業による感電死亡者数の推移(1960〜2008年)を見てみると1960年当時の年間死亡事故者が40人近くに及んでいましたが,溶接棒ホルダ,交流アーク溶接機用自動電撃装置などの安全基準が,労働安全衛生法,労働安全衛生規則により整備され,その数は急激に減少してきています。しかし,まだ年間数件の発生がみられます。

近年における災害事例を表4-1に示します。

溶接情報センター 動画「アーク溶接作業の安全と衛生 - 確かな溶接作業をするために -
(02:02〜02:39部分)  要FlashPlayer 9.0.124以上

表4-1 溶接感電死亡災害状況

発生年 業種 発生
時間帯
災害状況
平成12年 製造業
機械(精密機械を除く)器具製造業
15〜16 工場プラントのコンクリートミキサーの中(長さ1.6m,直径1.6m)に入って攪拌羽根をアークで溶接中,溶接棒に接触して感電した。
製造業
自動車整備業
15〜16 コンクリートミキサー車のタンク内でアーク溶接作業を行い,作業を終えてタンクから出ようとしたときに持っていたアーク溶接機のホルダーが左手首に触れ感電した。
平成13年 鉱業
採石業
11〜12 坑内の支保工組立作業において,交流アーク溶接機を使用してH形支保工に鉄板を溶接作業をしているときに,ホルダーの溶接棒が身体に触れ感電した。
製造業
造船業
22〜23 建造中の船体ブロックの二重底内部に入り,アーク溶接機で仕上げ作業を行っていてアーク溶接機のホルダーの絶縁被覆が損傷した箇所に接触して感電した。
建設業
鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事
11〜12 多目的ホールの天井の内装工事において,化粧用見切り縁を天井の下地材に取付ける作業中に感電した。
平成14年 製造業
その他の金属製品製造業
22〜23 フェリーの車載用タラップの製作で,自動電撃防止装置が取付けられていない溶接機でタラップの内部(高さ60cm,幅130cm)の仮溶接をしていて溶接棒に触れ感電した。
平成15年 建設業
鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事
11〜12 建設現場の躯(く)体階段の内側手すりのアーク溶接作業で,溶接棒ホルダーを持ち本溶接を始めたときに感電し,突然溶接棒ホルダーと手持防護面を持ったまま仰向けに倒れた。
平成16年 建設業
機械器具設置工事業
14〜15 ロボット工場の配電盤等の取付作業において,仮止めされた溶接個所を,本付けするために脚立(高さ2.6m)に上がり,作業を行おうとしたところ,溶接棒のホルダー欠損部の金属露出部等に触れ,感電し脚立から転落した。
建設業
機械器具設置工事業
17〜18 船体ブロック組み立てのため交流アーク溶接にて取付作業中,溶接棒を握り感電した。


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