- 接合・溶接技術Q&A / Q01-01-05
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Q据え付け工事で,板厚40mmの突合せ溶接を横向溶接することになりました。能率向上のためにフラックス入りワイヤを使いたいと思いますが,問題はありますか。
建築現地溶接の横向継手の溶接には,一般的にワイヤ径1.2φのソリッドワイヤ(JIS Z 3312 YGW-11)が使用されている。
横向継手にフラックス入りワイヤを適用する場合,メタル系フラックス入りワイヤ(JIS Z 3313 T49J 0 T15-0 C A-U)が推奨される。
フラックス入りワイヤは,スパッタ発生量が極めて少ないなど溶接作業性に優れている。また,セミウィービング施工でも良好なビード形状が得られるためパス数低減が図れ,能率向上が期待できる。
図1に1.4φのメタル系フラックス入りワイヤを用いて板厚40mmの横向突合せ溶接を行った場合の積層要領の一例を示すが,ソリッドワイヤの場合に比べ約20%のパス数低減が可能となっている。
一方,ソリッドワイヤに比べ若干溶込みが浅いため,トーチ角度を10~20°後退角にするなどの配慮が必要である。
〈小西正人 / 2012年改訂[規格]〉