- 接合・溶接技術Q&A / Q01-01-06
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QSN400B材およびSN490B材の鉄骨柱を製作します。また,柱-梁接合部には,SN490C材を使用することになっています。溶材としては,どのようなものを選ぶ必要がありますか。
SN400B,SN490B,SN490Cのいずれに対しても490N/mm2級の溶材を用いることが一般的である。特に使用比率の高いガスシールドアーク溶接ワイヤでは,溶接作業性と継手の機械的性質の点より,JIS Z 3312:2009 YGW11(CO2用)やYGW15(Ar-CO2用)のソリッドワイヤ,JIS Z 3313:2009 T49J0T1-1CA-UH10やT49J0T1-0CA-UH10, T49J0T15-0CA-UH5(いずれもCO2用),T49J0T1-1MA-UH10やT49J0T1-0MA-UH10, T49J0T15-0MA-UH5(いずれもAr-CO2用)のフラックス入りワイヤが適している。ただし,入熱量あるいはパス間温度が過大の場合,継手の強度および靱性が劣化するため,それらの管理が必要である。仕口の溶接などで一般的なYGW11のソリッドワイヤについては,日本建築学会が鉄骨工事技術指針および標準仕様書(JASS6)で入熱量40kJ/cm以下,パス間温度350℃以下の管理目標を設定している。それを超える場合は,溶接材料メーカーに問い合わせることが望ましい。
〈中野 利彦 / 2012年改訂[規格]〉