- 接合・溶接技術Q&A / Q01-01-09
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Qすみ肉溶接部の止端処理として,グラインダーかけが必要ですが,グラインダーしなくてもビード形状のよくなる溶材はありませんか。
すみ肉溶接部の止端部をグラインダーなどでなだらかにすることは,疲労強度を上げるのに有効である。溶接止端部の疲労強度に影響する形状パラメーターとしては図1に示す定義に基づく“止端半径ρ”および“フランク角θ”がよく用いられる。一般的に止端半径ρが大きいほど,また,フランク角θが小さいほど疲労強度は向上する。
被覆アーク溶接棒では,水平すみ肉溶接で止端部の形状が滑らかなビードの得られるすみ肉専用棒が開発されている。表1にすみ肉溶接止端部の止端半径・フランク角を,表2に疲労試験結果をそれぞれ示すが1),ビード止端形状・疲労強度のいずれも一般の低水素系溶接棒に比べ改善されており,グラインダー仕上げとほぼ同等の性能が確保されている。
参考文献
1)池田,出納,五代,小川:溶接学会誌,第44巻,第2号,p.128,(1975)〈小西 正人 / 2012年改訂[SI単位・字句]〉