接合・溶接技術Q&A / Q02-03-21

Qチタンおよびジルコニウムの溶接における溶接欠陥の種類とその溶接補修について,欠陥除去方法,残存有効板厚および溶接補修回数などの観点から教えて下さい。

(1) 大気による汚染(酸化),ブローホール,融合不良,アンダカットなど,単に溶接ビード部に生じた欠陥を局部的に補修する場合には,欠陥箇所をロータリカッタなどで切削除去し,欠陥が完全に除去されたことを確認した後,その箇所を完全に清掃して,補修溶接すればよい。

なお,同一箇所の補修は繰返し行わないことが望ましいが,適切な補修溶接施工を実施すればチタンにおいては補修回数は3回位までは健全な溶接部の材料特性は確保できる。表1~3にチタンにおける補修溶接回数と溶接部の硬度変化,引張り強さ,耐食性についての関係を示す。

ジルコニウムについては詳細なデータはないが,補修回数は2回位までにすべきと思われる。

(2) クラッド鋼合せ材(チタンおよびジルコニウム)表面の局部的な減肉(腐食,凹みおよび引っ掻き傷等)を溶接補修する場合,必要な残存する合せ材の板厚は溶接入熱によるが,一般的に最低1mm必要と思われる。合せ材と鋼の境界部の温度が900℃以上になるとTiとFeの金属間化合物が生成して硬くなり,割れを誘発する恐れがある。

筆者らの実験でチタンクラッド鋼のチタン板厚を1.0,1.5および2.0mmの3種類についてそれぞれの上に当板すみ肉溶接(脚長3mm)を行ったところ,チタン板厚1.0mmのすみ肉溶接直下のクラッド境界部にTiとFeの金属間化合物生成が確認された。

なお,ライニングの場合は本体構造物への熱伝導が悪いのでライニング材裏面の温度が高くなるため,一般的には最低1.5mm必要と思われる。

クラッド境界部あるいはライニング裏面(鉄との接触面)におけるTiとFeの金属間化合物生成の確認は,モックアップテストを行い顕微鏡組織観察をしなければ確認できない。

参考文献

1)横山博臣:溶接冶金研究委員会溶接技術講習会資料1/93,チタン,チタン合金の溶接,(社)溶接学会溶接冶金研究委員会,p.50,(1993)

〈廣瀬 博章 / 2012年改訂[図SI単位]〉

このQ&Aの分類

チタン・ジルコニウムとその合金の溶接

このQ&Aのキーワード

溶接欠陥の種類と補修材質:チタン

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