接合・溶接技術Q&A / Q02-03-33

Q異種金属間の固相接合を行う場合,表面処理はどのように行われますか。接合法によって異なりますか。

熱間圧接や鍛接などは,熱処理によって材料表面が酸化するので,接合面の表面処理を行うことは意味のないことになる。しかし,拡散接合などにおいては表面処理が重要となる。

(1) 拡散接合法

① 通常の拡散接合:通常,接合表面はバフ研磨等の処理をすることが多い。

② HIP法:複雑な形状の製品が多いのでバフ研磨等の処理は難しいため,明らかな異物や油脂分を取り除いて接合を行う。

③ 超高真空常温圧接:接合前,高真空中で,イオンスパッタリングで表面の清浄な面を作製する表面処理を行うので,その前にバフ研磨等までの処理を行うことが望ましい。また,明らかな異物や油脂分を取り除くことは必須となる。

(2) 摩擦圧接法

異材の摩擦圧接法では,変形抵抗の小さい材料側でほとんどの変形が生じる。そのため,最初の表面性状が継手性能に影響する場合があるので,バフ研磨や電解研磨等の処理をすることが望ましい。また,研磨の難しい直径の大きい材料の場合は,少なくとも明らかな異物や油脂分を取り除く必要がある。

(3) 超音波圧接法

通常,明らかな異物や油脂分を取り除いて状態で接合を行う。

〈冨士 明良〉

このQ&Aの分類

異種材料の接合・溶接

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表面処理

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