接合・溶接技術Q&A / Q04-01-29

Q溶込み不良と融合不良はどのように違うのですか。

融合不良と溶込み不良は,どちらも溶接継手における「不良」,すなわち溶接欠陥を表す言葉で,現象的には良く似ているが,日本工業規格(JIS Z 3001-4:溶接用語-第4部:融接不完全部)では次のように区別して定義されている。

溶込み不良は,「設計溶込みに比べ実溶込みが不足していこと」である(図1)。また,JISではすみ肉溶接でルート部が溶融されずに残った状態の欠陥も溶込み不良に含んでいる。この欠陥は継手強度を低下させ,また,ぜい性破壊が発生する際の要因である切欠ともなる。

一方の融合不良は,「溶接境界面が互いに十分溶け合っていないこと」とされ,図2にあるように,母材と溶着金属,あるいは,溶着金属同士が部分的に溶け合わずに隙間が生じた状態を表している。発生する場所としては,下向や横向多層溶接で母材と接する部分や振り分け溶接時のビードの重ね部分が多い。

いずれにしても溶融すべき部分が溶融しなかった結果であり,溶接アークによる熱が十分に供給されていないことが根本原因である。溶融を妨げる要因としては,①入熱量の不足,②溶融金属の先行,③ワイヤ狙い位置やウィービングの不適正,④開先形状,積層方法の不適正,⑤アークが不安定,⑥前パスのビード形状が不良などが挙げられる。

〈佐藤 正晴 / 2012年改訂[加筆・一部修正]〉

このQ&Aの分類

割れ以外のきずまたは不良

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溶込み不良と融合不良の差異

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