接合・溶接技術Q&A / Q04-02-43

Q高張力鋼の溶接施工においてアークストライクやショートビードが問題とされる理由について教えて下さい。

高張力鋼は一般に溶接熱影響部が硬化しやすい。図1に各種HT490鋼の熱影響部最高硬さと溶接後の800℃~500℃冷却時間の関係を示す1)。また,図2にはHT570鋼,HT690鋼の溶接ビード長と最高硬さの関係を示す2)。これらの鋼種ではビード長が短くなるほど硬化性を示し,点づけ溶接部(アークストライク)では非常に短時間に急冷されるため熱影響部の硬化が著しい。そのため,アークストライク部には微細な割れが発生することがあり,通常,アークの発生は開先内やタブ板で行うべきである。仮に,母材で発生させた場合は完全にグラインダなどで除去する必要がある。

また,仮付(タック)溶接のようなショートビードでは,熱影響部の硬化性に加えてブローホール,溶込み不良,割れなどの欠陥が生じやすい問題がある。したがって,低温割れ感受性の高い場合には本溶接以上に入念に予熱を行うべきである。さらに本溶接に際しては,仮付(タック)溶接ビードは除去するか完全に溶融させることが必要である。

参考文献

1)N.Yurioka:Materials&Design,6-4,p.154,(1985)

2)川崎製鉄技術資料

〈結城 正弘〉

このQ&Aの分類

高張力鋼

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アークストライク

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