- 接合・溶接技術Q&A / Q06-02-04
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Qバタリング法とその効果について教えて下さい。
鋳鉄の巣埋め溶接を行う場合に,よくアンダーカットや溶込み不足といった欠陥を出すことがある。これらの欠陥は機械加工で加工面に出てくることが多く,補修効率を低下させている。バタリング法はこのような不具合を防止する効果が大きい。
方法は,図1のごとく開先面に1層,いわばパンにバターを塗るようにバタリング溶接を行う。ここで注意することは表面角部の処理で,図中の開先右肩部のようにややオーバーラップ気味になるように,溶接を行うことで前述のアンダーカットや溶込み不足などの欠陥を防止することができる。
参考文献
1)(社)溶接学会編:溶接便覧,丸善(株),(昭和47年4月)2)(社)日本鉄鋼協会編:鉄鋼便覧,丸善(株),(昭和46年3月)
3)溶接シリーズ編集委員会監修:現代溶接技術大系,産報出版(株),(昭和55年1月)
4)佐藤知雄編:鉄鋼の顕微鏡写真と解説,丸善(株),(昭和38年7月)
5)(社)日本熱処理技術協会:鋳物と非鉄金属材料の熱処理,(株)日刊工業新聞社,(昭和45年6月)
〈伊葉 正〉