接合・溶接技術Q&A / Q07-01-18

Qプラズマ溶接の原理と特徴について教えて下さい。

プラズマアーク溶接は,プラズマガスと拘束ノズルによる熱的ピンチ効果を利用して細く絞ったプラズマアークを熱源とする溶接方法です。その原理をティグ溶接と比較すると,図1.のようであり,拘束ノズルに設けた直径1~3mm程度の小径の穴を通して,タングステン電極と母材との間にアークを発生させます。

ティグアークは母材に向かって拡がるベル形状となりますが,プラズマアークの拡がりは少なく,集中した熱源となるため,幅が狭く,深い溶込みを形成します。プラズマ溶接の主な特徴・特性は表1.のようであり,ティグ溶接とYAGレーザ溶接のほぼ中間的な溶接方法であると言えます。

溶接電源には,ティグ溶接と同様に,直流定電流特性電源を用い,棒マイナス(EN)極性のアークを発生させます。また一般に,プラズマを発生させるためのプラズマガス(作動ガス)にはアルゴンを,溶融金属を大気から保護するシールドガスには,アルゴンまたはアルゴンと水素の混合ガスを用います。

比較的大電流を用いる突合せ継手の溶接などでは,図2.のように,プラズマアークの強いアーク力を利用して,アーク直下に"キーホール"と呼ばれる貫通穴を形成します。そして,このキーホールを維持しながら溶接することによって,裏波ビードを安定に生成します。この手法は"キーホール溶接"と呼ばれ,ステンレス鋼の中,厚板溶接などに適用されています。

〈三田 常夫 / 2012年新規〉

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