- 接合・溶接技術Q&A / Q07-09-04
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Qロボットの購入時の選定方法について,どのような点に注意して,選定すればよいでしょうか。また,カタログなどに記載されている用語の意味と見方について教えて下さい。
可搬重量と動作範囲と干渉領域に注意して,溶接ロボットを選定する必要がある。また,設置面積に制限がある場合や,壁掛けや天吊りなどの取付けに制限がある場合,予算が限られている場合は,条件に応じた溶接ロボットを選定する必要がある。
また,センサなどの特殊な機能が必要な場合は,機能に応じた溶接ロボットを選定する必要がある。
カタログなどの用語について以下に説明する。
① 可搬重量
ロボットの手首先端に取り付けることの可能な重量のことである。また,ロボットは溶接トーチを手首先端に付け,通常,送給モータを上腕の上に取り付ける。溶接トーチの重さは,普通,2kg以内であり,送給モータの重さは3kg~7kgである。通常,可搬重量が,5kg~10kgの溶接ロボットが使用されている。
② 動作範囲
ロボットメーカーは,手首の曲げ軸の回転中心を通称P点として,P点の動作範囲をロボットの動作範囲の仕様としている(図1,2)。
溶接対象のワークの溶接線が,動作範囲の中に入っていれば,十分な動作範囲であるということができる。
溶接姿勢によっては,回転や傾動のポジショナを使用するため,必要な動作範囲の検討をそれぞれの姿勢で行う必要がある。
また,複雑なワーク形状では,溶接トーチとジグ,ワークとの干渉が考えられるため,干渉チェックが必要となる。
〈守田 隆一〉