接合・溶接技術Q&A / Q08-06-05

Q爆発圧接法とはどのような方法ですか。その接合原理について教えて下さい。

爆発圧接は,爆薬の爆発によって生ずる瞬間的な高エネルギーを,金属の加工に利用する方法で,いわゆる高エネルギー加工の一分野である。

爆発圧接の施工法の基本形を図1(a)に示す。母材とそれに接合する材料(合せ材)を適当な間隔を開けて,平行に設定する。この合せ材の上に緩衝材を介して,適当な量の爆薬をのせ,その一端を雷管によって起爆すると,爆発は図1(b)のように進み,この爆発力によって合せ材はある角度(5~30°位)で母材に衝突する。

衝突点では両方の金属が非常に大きな変形速度(~108/s)と高圧によって粘性流体的な挙動を示し,衝突点から前方に金属の噴流(ジェット)が発生する。ジェットの発生状態を撮影した写真を写真1に示す。この金属ジェットによって金属表面の酸化皮膜やガスの吸着層が除去されるため,現れた清浄表面が高圧によって密着し,母材と合せ材は完全に金属組織的に接合する。

図2は爆発圧接によって適正に接合する領域を衝突角度と衝突速度で示したもので,Weldability windowという。ここで,斜線を引いた領域が波状模様を示し,良好な接合を示すところである。また,CC′,DD′は衝突角度の下限と上限,ee′,bb′は衝突速度の下限と上限,aa′はジェットが発生する限界,ff′は合せ材の飛翔速度による衝突エネルギーからくる接合限界,gg′は逆に合せ材の飛翔速度が過剰になり,接合面が溶融する限界である。

〈恩澤 忠男〉

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爆発圧接法

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