- 接合・溶接技術Q&A / Q08-07-07
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Q単にくっつけるだけでなく,機能をもった接着剤があるそうですが,どんなものがありますか。
表1に機能を分類し,用途例,接着剤例とともに示した。力学的機能としては,強い,耐久性があるという高性能と弱いが簡単に剥がせるという逆の機能が要求される。高性能接着剤は,航空機や自動車に使用される複合系接着剤が典型例であり,構造用接着剤に分類される。一方,接着剤への易剥離性の付与は難しいため,接着が必要な時にはくっついていて,いつでも簡単に剥がせるという接着剤のニーズは多くあるが,満足できるものはほとんどない。
熱的機能としては,耐熱用途と逆の耐寒用途,および高い熱伝導率を要求する用途がある。耐熱性と耐寒性は,接着剤ベースポリマーの性質に依存するが,熱伝導性は接着剤に金属粉やセラミック粉を大量に充填して熱伝導率を高める。
電気的機能では,導電性と絶縁性がある。一般に接着剤は絶縁体であり,導電性は接着剤に銀粉,カーボンブラック,炭素繊維などの導電性充填剤を多量に配合する事により付与する。電気絶縁性は大抵の接着剤が本来持っている性質である。電気・電子用途では,マイカ充填エポキシ系やシリコーン系が用いられる。
光学的機能としては,光情報関係に使用されるものが多く,高い透明性や,特定の屈折率を有することが要求される。光ファイバーの接続やコンパクトディスクの接着に使われる。透明被着材が多いので紫外線硬化形接着剤を使う場合が多い。
生体適合性の接着剤は,医用接着剤と呼ばれ,骨や歯などの接着に使う硬組織用と皮膚や血管の接着に使う軟組織用に大別される。硬組織用は,種々の接着剤が実用化され,歯の治療や人工関節置換手術に使われている。しかし,軟組織用の接着剤は未だ良いものが無く,特殊な場合にしか使用されない。
大抵の接着剤は,被着材表面に油が存在すると接着できない。しかし,油面用接着剤は,表面に防錆油が存在していても接着することができる。自動車組立工程の簡素化のために開発されたいきさつがある。被着材表面の油を接着剤中に取り込んで,被着材にくっつくメカニズムが働いている。
一般に,接着剤は表面に水が存在するとくっつかない。湿潤面用接着剤は未乾燥のコンクリートなど表面に水が存在していても接着できる。その機能をさらに進展させたものに,水中でも接着できる接着剤がある。油面用と同じように,被着材表面の水分を接着剤中に取り込んで接着する。

〈三刀 基郷〉