接合・溶接技術Q&A / Q09-08-03

Q生産設備へのノイズ影響が少ない溶接方法について教えて下さい。

家電製品などの生産現場においては,省人化・省力化と共にタクトタイム向上のため多くのロボットや自動機器が使用され,また調整・検査のための精密機器も多い。更に溶接対象ワーク自体に精密電子機器が搭載されている場合もあり,組立時における接合,特に溶接工程には配慮が必要となる。

しかし,金属類の接合組立工程において溶接は確実で有効な接合手段であり,多方面で使用されている。主に使用される溶接方法としては,抵抗溶接法やTIG溶接法がある。

抵抗溶接法では,熱影響歪みが少ない安定した品質の結果が得られ,周辺へ与えるノイズレベルも低いが,加圧圧接という手法であるのでワークを直接加圧する構成とならざるを得ない。

それに対して,TIG溶接法は非接触の溶融溶接法であり設備も簡単に構成できるが,アーク発生時に放射するノイズにより周辺の機器に多大な影響を及ぼす場合がある。

これは,従来のTIG溶接機器がアークスタートの手段として,高周波電圧を用いて空気絶縁を破壊しアークの発生を行っていたためである。特に高周波電圧から発生するノイズに対して十分な対策が取られていない周辺設備機器は,誤動作や損傷を生じることもあった。

そこで,最近ではこのような生産現場においては,アークスタート時に高周波電圧を用いないTIG溶接機器を採用するようになってきている。

高周波電圧を用いないTIG溶接機器の原理と構成を図1に示す。原理としては,電極と溶接母材間に高電圧を印加して空気絶縁を破りアークが発生するようにした溶接スタート方式である。

このような溶接機器を用いることにより図2に示すように伝導ノイズを低減し,生産設備へのノイズ影響を最小限に抑えることができるため,精密検査機器や組立ロボットなどの誤動作や損傷などといった設備面の不具合の発生が少ない,効率のよい生産ラインが実現できている。

参考文献

1)西田,萩原,竹元,木元:直流高電圧スタート式TIG溶接機の開発,溶接学会全国大会講演概要,第54集,pp.150-151,(1994.4)

〈濱本 康司〉

このQ&Aの分類

家電製品

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洗濯機製品名:洗濯機の部品材質:SUS304施工法:TIG溶接

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