接合・溶接技術Q&A / Q10-01-07

Q溶損したアルミダイカスト用スリーブならびにチップを,肉盛再生して使用しているとのことですが,肉盛再生した場合,新品に比べてどの程度の耐用度が得られますか。

従来,溶損廃却していた使用済アルミダイカスト用チップ・スリーブ(ブッシュを含む)を,最近は肉盛再生して使用することが多くなってきている。

肉盛再生の場合は,新品の約70%の費用で再生できることと新品同様の寿命が得られるところに大きなメリットがある。

損耗部の肉盛再生には,母材と共材系の溶接材料を全自動ティグ溶接で肉盛溶接し,仕上加工後ガス窒化処理している。

チップは,材質がSKD61相当で,溶射処理していないものであれば,大きさ・重量を問わず再生されている。

スリーブは,材質がSKD61相当で,内径が80f以上・肉厚が片肉20mm以上・全長が1,100mm以内のものが再生されている。

ブッシュ再生の場合の施工手順一例を示す。

《再生品引取り》→《洗浄》→《受入検査》→《SR》

→《下削り》→《内径全自動ティグ溶接》→《SR》

→《焼ばめ・端面溶接》→《荒仕上》

→《焼ばめ・端面仕上加工》→《内径研磨》

→《中間検査》→《ガス窒化処理》→《最終検査》

→《出荷・納品》

再生品の寿命は,離型剤・潤滑剤・冷却効果・マシンの芯出し等,多数の要因によって,寿命の差は生じるが,T社の場合の再生品の寿命については,表1のように,再生品は新作品と同等の評価を得ている。

参考文献

1)特殊電極(株):アルミダイカスト再生スリーブ再生チップ

〈東  雅弘〉

このQ&Aの分類

アルミダイカスト用スリーブ

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肉盛再生

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