- 接合・溶接技術Q&A / Q10-04-04
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Q受入れ検査で柱梁接合の溶接部にアンダーカットおよび余盛不足が発見されました。どのような対処をすればよいか具体的に教えて下さい。
受入検査では,不合格となった溶接部についての補修は,工事監理者と協議して行うようにする。特に指示がなければ,以下の要領で補修をする。
アンダーカットは,その深さが0.8mm以下ではグラインダーで滑らかに仕上げる。0.8mmを超える場合はアンダーカットの長さ以上,かつ40mm以上になるように補修溶接をする(図1)。
余盛不足の箇所は,図2のように余盛過多にならないように補修溶接をする。さらに必要な場合は,グラインダー仕上げを行う。補修溶接は,手溶接で行う場合には,4mmf径の低水素系被覆アーク溶接棒を使用する。炭酸ガス半自動溶接で行う場合には,1.2mmfのフラックス入りワイヤ(またはソリッドワイヤ)を用いる。
なお,補修溶接に際して,母材がSN400級で板厚が25mm以上の厚板や,SN490級以上の高張力鋼では,ショウトビードによる硬化を避けるため,必要に応じて予熱をすることも考慮すべきである。
補修溶接終了後には,再検査をして合格とならなければならない。
参考文献
1)(社)日本建築学会:建築工事標準仕様書JASS-6 鉄骨工事,(社)日本建築学会,pp.31-32,(1996)2)(社)日本建築学会:鉄骨工事技術指針・工場製作編,(社)日本建築学会,pp.520-524,(1996)
3)(社)日本溶接協会 建設部会:改定版鉄骨溶接施工マニュアル,産報出版(株),pp.189-195,(1996)
〈松本 正巳〉