- 接合・溶接技術Q&A / Q10-04-08
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Q鉄骨の梁梁接合部の現場溶接において,風に強いことからセルフシールドアーク溶接を使用しましたが,大きいピットやブローホールが発生しました(図1)。この補修とブローホールの発生防止対策を教えて下さい。
セルフシールドアーク溶接(図2)は,シールドガスを必要としないで比較的風に強いことから,屋外での現場溶接に採用する場合がある。ピットおよびブローホールの補修要領と欠陥防止策を以下に示す。
(1) 補修要領
検査記録から欠陥位置を確認してエアアークガウジングにより欠陥を除去する。欠陥が確実に除去された後,溶接が容易にできるように溝を船底形に整形して補修溶接を行う。
(2) ピット,ブローホールの発生防止策
① ワイヤの突出し長さが短すぎると発生しやすいので適正長さ(表1)に保つようにして溶接する。
② アーク電圧を適正に保つ(高過ぎるとブローホールが発生しやすい)。
③ トーチ角度を進行方向に10°~30°傾ける(後進溶接)。
④ 開先面の錆,ペイント,水分,および汚れなどをガス炎で加熱し除去する。
⑤ ワイヤに錆が発生したり,古いと思われるワイヤは使わない。新しいワイヤに替えて使用する。
参考文献
1)(社)日本溶接協会 建設部会:改定版鉄骨溶接施工マニュアル,産報出版(株),pp.29-33,pp.189-195,(1996)2)(社)日本建築学会:鉄骨工事技術指針・工場製作編,(社)日本建築学会,pp.382-386,(1996)
〈松本 正巳〉
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ブローホール製品名:建築鉄骨材質:SN400A/B/C,SN490B/C施工法:セルフシールドアーク溶接