一般社団法人 日本溶接協会 ろう部会(旧貴金属ろう部会)では、平成3年度から平成23年度まで、毎年部会員の各ろうメーカに銀ろう出荷量のアンケート調査を実施しておりました。
21年間のアンケート集計結果を基に、銀ろうの国内出荷量の推移及び銀含有量別の構成比率の推移を図1、図2にまとめました。
アンケートの集計結果では、銀ろうの国内出荷量は、平成3年度の約300tが平成10年度には200t、平成20年度には150tとほぼ半減しました。ここ最近を見てみると平成21年度、平成22年度は、それぞれ前年度比117%、115%と増加傾向にあって、平成23年度には再び微減し約200tに推移しています。ここ3年間の増減は図2のように銀71%以上の銀ろうの増減が起因していると思われます。
銀ろうは、電子部品、家電部品、重電部品、自動車部品等、ろう材の中で最も一般的に用いられる材料ですが、アンケートでは、図2のように、ここ数年、特に銀の含有量が多いものの占める割合が増えています。
要因としては、電子機器などに使用する銀の含有量が多い高品質な材料のニーズが増えたこと、また、銀の含有量の少ないものが海外生産あるいは輸入品にシフトされたことによるものと思われます。
なお、輸入や他メーカ等もあり、全体として銀ろうの使用量は図1の数値よりも大きく全体としての使用量は過去21年間でさほど減ってはいないと推定しています。
図1 銀ろう出荷量の推移
図2 銀含有量別構成比率の推移
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