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 3.溶接材料JISの改正状況

溶接材料のISO及びJISの規格体系を表3に示す。 表3−1にISOの規格体系を、表3−2にISO整合化前のJIS規格体系を示す。 ISOとJISとではその規格体系が異なっていることから、以下の項で説明するように、JISの統廃合と適用範囲の変更を実施した。 表3−3にISO整合化後のJIS規格体系を示す。また、ISO整合化JIS改正の進捗状況を表4に示す。 なお、表4で分類した溶接材料は、溶接対象材料による区分と、溶接材料そのものによる区分とが混在していることにご留意いただきたい。

 
3.1 軟鋼・高張力鋼及び低温用鋼用溶接材料(サブマージ溶接材料は除く)

旧50Kg級鋼用溶接材料の適用強度区分において、我が国では高張力鋼に分類されるが、ISOでは軟鋼区分に分類されている。そこで、ISO整合化JISにおける無用な混乱を避けるため、強度区分を統合し、合わせて該当ISOに含まれている低温用鋼用もこの区分に統合し「軟鋼・高張力鋼及び低温用鋼用溶接材料」とした。また、我が国の鋼材開発の進展を反映し、建築用高降伏点鋼材、橋梁用高性能高張力鋼材、耐火鋼に対応した我が国独自溶材の種類も追加している。個々の規格の内容は、最新技術情報「溶接材料JIS改正内容の解説第1回第2回第3回の記事を参考にしながら、改正公示JISでご確認いただきたい。

 
3.2 低合金耐熱鋼用溶接材料(サブマージ溶接材料は除く)

この区分の溶接材料は、高温・高圧の圧力容器用鋼として,火力発電用ボイラ,石油精製,石油化学,石炭液化,石炭ガス化などの各分野での反応容器などに広く利用されている「モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼」を適用範囲としている。個々の種類の規定が変更されているので、「溶接材料JIS改正内容の解説」第5回の記事を参考にしながら、改正公示JISでご確認いただきたい。

 
3.3 サブマージアーク溶接用フラックスJISの適用範囲の拡大

サブマージアーク溶接に関するJIS規定は、「ワイヤ」「フラックス」「溶着金属」から構成されている。このうち、「フラックス」については、各対象材料で共通に使用できる種類があることから、ISOでは全ての対象材料を適用範囲としている。そこで、JISにおいても、従来のサブマージアーク溶接用フラックスを規定したJIS Z 3352の適用範囲に加えて、ステンレス鋼、Ni-Ni合金及び硬化肉盛を含めることにより、ほぼ全てのサブマージアーク溶接用フラックスが含まれる適用範囲に拡大して規定することとした。なお、表4に記載の通り、前記3.1項、3.2項記載区分の「ワイヤ」についてのJIS Z 3351及び「溶着金属」についてのJIS Z 3183は現行JISを継続することとしている。改正JISの内容については、「溶接材料JIS改正内容の解説」第5回の記事を参考にしながら、改正公示JISでご確認いただきたい。

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本稿は,日本溶接協会機関誌「溶接技術」2010年4月号に掲載されたものをもとに,
直近の動向を踏まえ一部修正しております。記述内容は2010年3月末日現在のものです。

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