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 4.旧JISと改正JISとの種類対比

4.1 旧JIS Z 3211と改正JIS Z 3211

軟鋼を対象とした旧JIS Z 3211で規定されていた種類が改正JISでどのような種類表示になるのかを対比して表3に示す。表2に記載したように,ISO整合に伴う被覆剤の記号変更で最も象徴的なものは,我が国で最も古く開発されて現在に至る「イルミナイト系溶接棒」の区分が「01」から「19」に変更となることで,「鉄粉低水素系」も「26」から「28」に変更となる。その他は,概ね旧JIS呼称がほぼそのまま使用できる。
 また,製品の呼び方は,以下の例のように,溶接棒の種類,棒径及び長さによる。

例  E4303(旧JIS種類:D4303) 4.0 450 
            溶接棒の種類      棒径   長さ
    43:溶着金属の引張強さが430MPa以上
    03:被覆剤の種類がライムチタニヤ系
    溶着金属の主要化学成分,溶接後熱処理の有無等の表示はなし  

  

4.2 旧JIS Z 3212と改正JIS Z 3211

高張力鋼を対象とした旧JIS Z 3212で規定されていた種類が改正JISでどのような種類表示になるのかを対比して表4に示す。旧JISに比較して,溶着金属の化学成分と,その機械的性質の衝撃試験を詳細に区分規定した。なお,高張力継手の実現には特殊化学成分が必要となるため,表5に示すように,溶着金属の主要化学成分の記号を詳細に表記し,利用者への参考情報が提供できるように図った。
 また,この区分の製品の呼び方例を以下に示す。

例  E6916-N4M3 U H10 (旧JIS種類:D7016)5.0 400 
              溶接棒の種類          棒径   長さ
     69 :溶着金属の引張強さが690 MPa以上
     16 :被覆剤の種類が低水素系
     -N4M3 :溶着金属の主要化学成分
     記号なし:溶接後熱処理の有無が溶接のまま
     U :シャルピー吸収エネルギーが 47J以上
 追加記号
     H10:水素量 10mL/(溶着金属100g) 以下 

 

4.3 旧JIS Z 3241と改正JIS Z 3211

低温用鋼を対象とした旧JIS Z 3241で規定されていた種類が改正JISでどのような種類表示になるのかを対比して表6に示す。旧JIS規定の種類に比較して改正JISの種類が多くなっているが,その理由は,低温用鋼用溶接材料に必要な性質を区分するためであり,表5に示す溶着金属の主要化学成分の記号の詳細規定と表6に示す機械的性質の詳細区分規定をしたことによる。
 また,この区分の製品の呼び方例を以下に示す。

例  E4916-N5 AP L H15(旧JIS種類:DL5016-6AP2)5.0 400 
                 溶接棒の種類            棒径   長さ
     49 :溶着金属の引張強さが490MPa以上
     16 :被覆剤の種類が低水素系
     -N5 :溶着金属の主要化学成分記号
     AP :溶接後熱処理の有無が溶接のまま,及び605±15 ℃で1 h の溶接後熱処理あり
 追加記号
     L:シャルピー衝撃試験温度が -40 ℃以下(規定の試験温度 -75 ℃)
     H15:水素量 15mL/(溶着金属100g)以下 

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本稿は,日本溶接協会機関誌「溶接技術」2009年2月号に掲載されたものをもとに,
直近の動向を踏まえ一部修正しております。記述内容は2009年3月末日現在のものです。

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