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4.1
旧JIS区分を継承した区分記号
JIS Z 3312:1999で規定した溶接ワイヤの種類名称は,関係省庁強制法令,建築基準法,電気事業法,ガス事業法,道路教示方書等の各種強制法令や基準書に引用して規定されている。また,JIS Z 3312:1999で規定した溶接ワイヤは,我が国で最も使用されている品種であり,市場において「YGW11」のような汎用ワイヤの種類で呼称されて定着していることを考慮した場合,生産者,使用者どちらから見ても溶接材料分類が適用範囲の全てに渡って詳細に区分規定できるようにした前項記載のISO区分表示では,汎用ワイヤを使用している顧客には複雑な区分表示であり,無用な混乱が懸念された。
そこで,本規格では,ISO区分記号を採用する一方,JIS Z 3312:1999で規定していた種類のうち,汎用溶接ワイヤについては,旧規格種類名称を継承して用いても良いこととした。なお,JIS Z 3312:1999の区分記号は,図2に示すように,溶接ワイヤを示す記号(Y),マグ溶接を示す記号(GW),ワイヤの化学成分,シールドガス及び溶接のままでの溶着金属の機械的性質の記号の3区分で規定しており,改正JISでも継承する。
4.2
旧JIS区分を継承したワイヤの種類と化学成分・機械的性質
表4にJIS Z 3312の新旧種類対比表を示す。JIS Z 3312:1999で規定した「YGW11〜19」に関し,その殆どの規定は旧JIS区分とほぼ同様であり,今回の改正に関係なく使用できるが,改正された点は以下の通りである。なお,表4に示すように,引張強さ570MPa以上の適用鋼種に対応した種類は,ISOに基づいた溶接ワイヤの種類区分記号を用いることとした。
4.2.1
引張強さと降伏点(耐力)
今回の改正では,最大最小引張強さを規定し,規定値は前述のISO規定値に合致させる一方,新開発の高耐力鋼板向けの適用も考慮して,YGW11とYGW15の耐力は390MPa以上から400MPa以上に要求値を高くして規定した。
4.2.2
伸び
旧JISの引張試験片形状は4Dタイプ(試験片の標点距離が試験片の直径の4倍)であったが,ISOでは5Dタイプ(試験片の標点距離が試験片の直径の5倍)である。改正JISではISOの5Dタイプ引張試験片形状を採用することとしたが,5Dタイプでは4Dタイプより伸びの値が小さくなるため,要求値を低くしている。その技術的根拠については,改正JIS Z 3312の解説に記載しているので参照されたい。なお,この引張試験片形状の変更は,ISO整合化溶接材料JISの改正において統一採用している。
4.2.3
衝撃試験
旧JIS規定を引き継ぐが,「YGW18」に関しては,地震が多い日本の事情を考慮した建築用途向けの顧客ニーズにより,47Jから70Jへと要求値を高くした。
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