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 4.JIS Z 3313:1999と改正JIS Z 3313:2009との種類対比

JIS Z 3313:1999で規定していた種類が改正JIS Z 3313ではどのように種類表示されるかを例示対比して表5に示す。種類記号は変更となるが,基本的な区分変更はないので,この対比表にて読み替えてご使用願いたい。 

 5.製品の呼び名例

製品の呼び方は,ワイヤの種類,径及び質量による。
 呼び方の例を,次に示す。


  例1  T492T1-1CA-K-UH101.220
      ワイヤの種類    径   質量

49:溶着金属の引張強さの最小値490 MPaの“49”(引張強さ490 MPa〜670MPa,
    耐力390MPa以上,伸び18 %以上)
2 :シャルピー衝撃試験温度が-20℃の“2”
T1:使用特性がシールドガスあり,ワイヤプラス,ルチール系
1 :適用溶接姿勢が全姿勢
C:シールドガスが炭酸ガスC1の“C”
A:溶接の種類がマルチパス溶接で溶接のままas weldedの“A”
K:溶着金属の化学成分
U:シャルピー吸収エネルギー47J以上
H10:溶着金属の水素量(単位:mL/溶着金属100g)が10以下

 
  例2  T43T13-0NS1.615
      ワイヤの種類  径   質量

43:溶接継手の引張強さの最小値 430MPaの“43”
  なお,シャルピー衝撃試験は,後述の1パス溶接“S”であるため適用しない。
T13:使用特性がシールドガスなし,ワイヤマイナス,
     フラックスタイプは規定なし,1パス溶接
0 :適用溶接姿勢が下向及び水平すみ肉
N:シールドガスなし(セルフシールドアーク溶接)
S:溶接の種類が1パス溶接single-runの“S”(溶接のまま)
  溶着金属の化学成分の区分は,“記号なし”。
 

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本稿は,日本溶接協会機関誌「溶接技術」2009年4月号に掲載されたものをもとに,
直近の動向を踏まえ一部修正しております。記述内容は2009年3月末日現在のものです。

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