2.1
適用範囲
JIS Z 3221「ステンレス鋼被覆アーク溶接棒」は,クロム11%(質量分率)以上及びニッケル37%(質量分率)以下の溶着金属を生成するステンレス鋼被覆アーク溶接棒であり,対応する下記の共存型国際規格のシステムB(共存型ISOの環太平洋規格部分)のMOD(国際規格を修正して作成した)規格である。
・ISO
3581:2003,Welding consumables - Covered electrodes for manual metal arc welding of stainless and heat-resisting steels - Classification
(MOD)
2.2 ISOに基づいた溶接棒の種類区分記号の付け方
JIS
Z 3221:2008「ステンレス鋼被覆アーク溶接棒」の区分記号を図1に示す。ステンレス鋼被覆アーク溶接棒を表す冠詞が従来の「D」からElectrodesとStainlessに由来する「ES」に代わる以外は大きな区分記号の変更は無い。
2.3
製品の呼び名例
溶接棒の呼び方は,その種類,径及び長さによる。

2.4 JIS規格の変遷とAWS
ステンレス鋼被覆アーク溶接棒JISの変遷及びAWSとの対比を表1に示す。1957年に制定されて以来,改正の都度種類は追加されており,ステンレス鋼の建築分野への適用範囲の拡大に伴っての種類追加もされている。なお,2008年の国際整合化改正に当っては,表1に示すように,旧JISの種類の他に,AWS由来の種類も合わさって追加されていることがわかる。
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