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2.2 溶加棒及びソリッドワイヤ
2.2.1 適用範囲

ニッケル及びニッケル合金溶接材料については,前項のJIS Z 3224の被覆アーク溶接棒規格以外は,AWS(American Welding Society),BS(British Standard),DIN(Deutsche Normen)などの規格を使用してきたが,需要の増加に伴い,我が国の実情に合わせた「ニッケル及びニッケル合金溶加棒及びソリッドワイヤ」のJIS化が要望され, 1987年にJIS Z 3334が制定された。以下に説明する改正では,対応する下記の国際規格に整合化して作成したMOD(国際規格を修正して作成した)規格であり,2010年度での改正を予定している。

・ISO 18274:2004,Welding consumables―Wire and strip electrodes, wires and rods for fusion welding of nickel and nickel alloys−Classification
  

2.2.2 ISOに基づいた溶接ワイヤの種類区分記号の付け方

現行のJIS Z 3334:1999と改正案との種類の記号の付け方を対比して図2に示す。ニッケル及びニッケル合金溶加棒及びソリッドワイヤを表す冠詞「Y」は「S」に代わり,ニッケル及びニッケル合金帯は「B」となる。化学成分を表す記号が続くことは同じであるが,記号表記は変更となる。

JIS Z 3334改正案と現行のJIS Z 3334:1999及びAWS A5.14/A5.14M:2005との区分記号を対比して表2に示す。

 

2.2.3 製品の呼び名例

a) 溶加棒の呼び方は,その種類,径及び長さ(mm)による。

  

b) ソリッドワイヤの呼び方は,その種類,径(mm)及び質量(kg)による。

  

c) 帯の呼び方は,その種類,寸法(厚さ×幅)(mm)及び質量(kg)による。

  

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本稿は、日本溶接協会機関誌「溶接技術」2009年7月号に掲載されたものをもとに、
直近の動向を踏まえ一部修正しております。記述内容は2009年5月末日現在のものです。

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