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プラント圧力設備の溶接補修

第1回 溶接補修一般

 7.溶接補修施工要領

7.1 欠陥除去

欠陥の除去方法の詳細は第2章1項(きず除去と肉盛溶接補修)に示す。

7.2 予熱、パス間温度

炭素鋼、高張力鋼、Cr-Mo鋼やCr系ステンレス鋼については溶接部の硬化や低温割れ防止のため予熱が必要になる。溶接補修では新規材料に比べて高めの温度を採用する場合が多い。

7.3 溶接前熱処理

長期間使用で脆化し溶接性に悪影響を及ぼすと予想される材料の溶接補修に際しては、溶接前に脱脆化を目的とした熱処理を行うことが望ましい。

7.4 溶接施工

溶接は作成された溶接施工要領書に従い、溶接管理者の指示監督下で実施する。

7.5 溶接順序

変形や溶接割れ防止には、適切な溶接順序や溶接積層法を採用する。

7.6 直後熱

厚肉炭素鋼、高張力鋼、Cr-Mo鋼など低温割れが問題となる場合には直後熱を行う。

7.7 溶接補修結果の確認

a.溶接補修部は適切な表面仕上げを行った後、目視検査および所定の非破壊検査により健全性を確認する。

b.欠陥が認められた場合にはその原因を調査し再発防止策を検討した後に、再度溶接補修を行う。

7.8 溶接後熱処理(PWHT)

(1)PWHTは適用法規・規格で規定される他、損傷防止の観点からは残留応力低減(応力腐食割れ、再熱割れ防止)、硬さ低減(硫化物応力割れ防止)、延性および靭性改善、クリープ強度・延性改善、耐水素侵食性改善などから必要になる。

(2)PWHT要領はJIS Z 3700(溶接後熱処理方法)に従う。

(3)PWHT実施においては、変形や座屈防止について十分な検討を行い、防止策をとること。

(4)炭素鋼や低合金鋼はPWHTにより強度低下を生じるため、事前検討が必要である。

(5)PWHTの省略と代替施工法

a.PWHT代替法としては、テンパービード法による溶接熱影響部の硬さ軽減や靭性の改善、ピーニングによる表面層の圧縮応力化などがある。

b.PWHT代替溶接法は溶接施工法確認試験により妥当性を確認したものであること。

c.テンパービード法の適用は、高温水素環境や湿潤硫化水素環境などの環境に曝されない設備で且つ炭素鋼、C-0.5Mo鋼、1〜1.25Cr-0.5Mo鋼に限る。 

7.9 試験・検査

(1)溶接補修部については溶接部の健全性を確認するために適切な検査を行う。

(2)原則として、耐圧部の溶接補修については該当する法規・規格に従って、所定の圧力にて耐圧試験を行う。ただし、耐圧試験の実施が困難な場合にはRTまたはUTを行うことにより耐圧試験を省略できる。

7.10 溶接補修記録

溶接補修を実施した場合には、以下の内容を含む補修記録を作成することが必要である。

a.劣化損傷検査記録
b.溶接補修要領書
c.溶接補修記録
d.試験・検査記録

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本稿は,日本溶接協会誌「溶接技術」2010年7月号に掲載されたものです。

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