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プラント圧力設備の溶接補修

第6回 溶接補修に関する国内外の法規・規格

 4.国内外の溶接補修規格

4.1 米国の溶接補修規格

米国における代表的な補修規格を表4に示す。ASME PCC-2初版は2007年1月に発行され、2009年に多くの補修法が追加された。API 510も2008年に大幅改定がなされた。

表4 米国における代表的な補修規格4,5,7,9)

ASME B&P Sec.XI 原子力発電設備の維持規格(各種補修法)
PCC-2 溶接補修、機械的補修、非金属補修等
API API 510 圧力容器の検査規格 第8章補修・変更
API 570 配管の検査規格
API 653 貯蔵タンクの検査規格
NBIC NB-23 検査規格 RD-2000補修法

1) ASME PCC-2補修指針の概要4)

圧力機器の補修規定は、NBIC NB-239)、API 5105)(圧力容器)、API 570 (配管)、API 653 (タンク)等の規格に含まれているが、供用中補修工事に適用するには必ずしも十分なものではなかった。このため、API−ASMEの統合プロジェクトとして非原子力圧力設備を対象に維持規格の作成が進められ、1998年に補修S/Cが設立された6)。ASME PCCでは、溶接補修・機械的補修・非金属補修方法、その他を含めた15種類の補修方法についてASME PCC-2-2006「圧力機器及び配管の補修」として2007年1月に初版が発行された4)

表5 ASME PCC-2補修指針の構成4)

補修指針の構成
1章 一般事項:適用範囲、組織、目的 1.適用範囲
2.設計
3.施工
4.試験
5.検査
2章 溶接補修法
3章 機械的補修法
4章 非金属接着補修法
5章 試験と検査

表6 ASME PCC補修指針の各種補修方法4)

ASME PCC-2-2.x-2008
溶接補修 耐圧部材のはめ込み板の突合溶接 PCC-2- 2.1
内面減肉に対する外面溶接肉盛法 PCC-2- 2.2
シール溶接されたネジ継手とシール溶接補修 PCC-2- 2.3
溶接漏れ補修ボックス PCC-2- 2.4
溶接リップシール法 PCC-2- 2.5
配管に対する全周鋼製スリーブ PCC-2- 2.6
補強プラグ付当て板すみ肉溶接法 PCC-2- 2.7
溶接予熱(PcM 等の代替規定含む) PCC-2- 2.8
PWHT代替溶接法 PCC-2- 2.9
供用中溶接補修法(炭素鋼) PCC-2- 2.10
溶接肉盛、クラッドの補修法 PCC-2- 2.11
当て板すみ肉溶接 PCC-2- 2.12
ねじ、プラグの補修 PCC-2- 2.13

ASME PCC-2の内面減肉に対する外面溶接肉盛補修法の概要を図4に示す。肉盛部の重なりBは3/4(Rt)1/2以上とする。

図4 外面溶接肉盛補修法の概要4)

2) API 510(補修・変更)5)

API 510の2006年9版では以下のように改定された。

@第6章にAPI RP580等のRBI概念が、第7章にAPI RP579のFFS概念が規定された。

A第8章「補修・変更」では、補修方法として応急的補修法と恒久的補修法に大別され、新しい補修方法の適用が容易になった。従来の肉盛補修法、当て板補修法に加えて、はめ込み溶接補修法等が追加された(表7)。

B補修溶接において、母材より強度の低い軟質溶接材料が限定された条件で使用が認められた。

CPWHT代替溶接法がNBIC NB-23と類似の形式(衝撃試験の要求の有無で区分)に改定された。また、制御溶着法が採用され、適用鋼種はP-1、3に加えてP-4が追加された。

表7 応急的補修法と恒久的補修法

応急的補修 当て板隅肉溶接補修法 ・損傷、腐食、磨耗部の応急補修

・き裂が成長しないこと

・既溶接部との距離≧4(Rt)1/2

スリーブ補修法* ・容器胴のき裂は不可

・耐圧性確保

恒久的補修 一般的補修法 ・欠陥除去と溶接肉盛補修
・腐食損傷部の溶接肉盛
・内面腐食損傷部のライニング
窓型溶接補修法 ・フルペネ突合溶接
・RT検査(特認:shear wave UT)
ステンレス・クラッド鋼の
溶接肉盛補修*
P-3、4、5鋼製圧力容器、
高温水素環境では特別仕様

*認定圧力容器検査員の承認要

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本稿は,日本溶接協会誌「溶接技術」2010年12月号に掲載されたものです。

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