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プラント圧力設備の溶接補修

第6回 溶接補修に関する国内外の法規・規格

 4.3 国内の溶接補修規格

代表的な国内補修規格を表9に示す。原子力発電設備に関しては、機械学会において維持規格の一環として補修規格の体系化がなされている。一方、石油関連設備については、古くからKHK補修ハンドブックが参照されてきたが、石油学会の溶接補修指針と同様に具体的な補修方法・手順等は記述されていない。

表9 代表的な国内補修規格

団体 補修規格(指針)
高圧ガス保安協会 補修ハンドブック
石油学会 JPI-8R-16:溶接補修

JPI-8R-15:フランジ・ボルト締付管理基準
JPI-8R-16:耐圧検査

日本溶接協会 圧力設備の溶接補修(2011年WES制定予定)
火力原子力発電
技術協会
TNS-G2801:外面スリーブ法に関する指針
TNS-G2802:外面端リング法に関する指針
TNS-G2803:水冷再溶接法に関する指針
TNS-G2804:高周波誘導加熱による応力緩和法
TNS-G2806:当て板すみ肉溶接による補修法
日本機械学会 JSME S NA1:発電用原子力発電設備規格維持規格
・ RB-1000:補修技術の一般事項
・ RB-2000:補修方法概論
・ RB-2100:欠陥部の除去
・ RB-2300:PWHTが不要な溶接方法
・ RB-2400:溶接部の残留応力緩和法(5方法)
・ RB-2600:スリーブによる方法(6方法)
・ RB-3000:暫定補修方法(3方法)

第1回で概説したように、当委員会では、国内外で長年の実績がある溶接補修法についての技術調査と技術変遷を考慮して溶接補修指針をまとめた。これらが広く活用されように溶接協会規格(WES)化を図ることになり、2010年8月から原案作成委員会(委員長:南二三吉阪大教授)のもとで活動を開始した。圧力設備の溶接補修WES案はパブリックコメント公募を経て規格委員会の審議を受けた後、2011年中に規格制定の予定である。図6に示すように、一般規定と3つの溶接補修法の規格群として初版を発行し、将来さらに拡充できる構成とした。

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本稿は,日本溶接協会誌「溶接技術」2010年12月号に掲載されたものです。

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