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 7.溶接ヒュームのデータシート

 
7.1 溶接ヒュームデータシートの作成

溶接ヒュームのデータシート様式を表7に示す。溶接ヒュームのデータシートには,必須項目として次のa)〜i)の項目を含まなければならないと規定した。溶接ヒュームのデータシート記入例を表8に示す。

【必須項目】

a)溶接材料の製造業者又は供給業者の名称及び住所

b)溶接ヒュームのデータシートの作成年月日及び最終検証年月日

c)溶接材料の銘柄及び種類並びに溶接方法

d)溶接材料の該当規格

e)試験機関の名称及び住所

f)試験報告書の発行年月日

g)試験条件の詳細

h)溶接ヒューム発生量(mg/s及びg/h)。有効数字は2けた以上とする。

i)溶接ヒューム中の主要成分は,表9に示した全ての主要成分を記載する。

なお,データシートには,j)〜n)を任意追加項目として追加してもよいとした。

【任意選択項目】

j)溶接材料が販売されるすべての国に対応するキー成分の溶接ヒューム限界値。ただし,小数点以下1けたに丸める。

k)溶接材料が販売されるすべての国に対応する相加溶接ヒューム限界値。小数点以下1けたまで報告する。

l)溶接材料が販売されるすべての国に対応する表にて算出した溶接ヒュームによる溶接材料の分類。

m)キー成分の溶接ヒューム限界値又は相加溶接ヒューム限界値を算出したときに使用した 限界値の適用国。

n)溶接材料の包装に表示された,溶接ヒュームによる溶接材料分類に関する情報。

なお,ISO規格では,表7に示すデータシートの様式だけを規定としているが,表9に示す主要成分もデータシートを記載するための重要な内容であり,規定とすべきとの意見があったため,この規格では,ISO規格の附属書の内容を一部編集して溶接ヒュームの主要成分を規定とした。


表9 溶接ヒュームの代表的な主要成分(規定)
溶接方法 溶接材料の種類 代表的な主要成分 その他の
分析可能な
主要成分
被覆アーク溶接 軟鋼及び低合金鋼 Fe,Mn,Cr,Ni,Cu F
高合金鋼 Cr,Cr(VI),Fe,Mn,Ni F
鋳鉄 Ni,Cu,Fe,Mn Ba,F
硬化肉盛 Co,Cr,Cr(VI),Fe,Ni,Mn V
加工硬化 Fe,Mn,Cr  
ニッケル合金 Cr,Cr(VI),Ni Fe
銅合金 Cu,Ni  
ソリッドワイヤ
によるガスシールド
アーク溶接
軟鋼及び低合金鋼 Fe,Mn,Cr,Ni,Cu  
高合金鋼 Cr,Cr(VI),Fe,Mn,Ni  
アルミニウム合金 Al,Mg,Mn,Zn  
ニッケル合金 Cr,Cr(VI),Ni Fe
銅合金 Cu,Ni  
フラックス入り
ワイヤによる
ガスシールドアーク
溶接
軟鋼及び低合金鋼 Fe,Mn,Cr,Ni,Cu F
高合金鋼 Cr,Cr(VI),Fe,Mn,Ni F
硬化肉盛 Co,Cr,Cr(VI),Fe,Ni,Mn V
セルフシールド
アーク溶接
軟鋼及び低合金鋼 Fe,Mn,Cr,Ni,Cu,Al Ba,F
高合金鋼 Cr,Cr(VI),Fe,Mn,Ni,Al Ba,F
硬化肉盛 Co,Cr,Cr(VI),Fe,Ni,Mn,Al V

 
7.2 溶接ヒュームデータシートの提供

溶接材料の製造業者又は供給業者は,顧客の要求があれば,表7に示した様式で作成した溶接ヒュームのデータシートを提供しなければならないと規定した。

 
7.3 溶接ヒュームデータシートの有効性

溶接ヒュームのデータシートは,少なくとも5年に1回その有効性の検証を行い,記載内容に変更があった場合には変更することとした。

             
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本稿は,日本溶接協会機関誌「溶接技術」2010年7月号に掲載されたものをもとに,
直近の動向を踏まえ一部修正しております。記述内容は2010年6月末日現在のものです。

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