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 8.審議中特に議論となった点

この規格は,溶接ヒュームの発生量及びその主要成分を記載するデータシートの様式を規定するものであるが,以下の点について重点的に議論を行った。

1. ISO制定時に実施された溶接ヒューム発生量と化学成分の測定値(試験機関の所間比較及び繰返精度)に関し,信頼度が低いデータを基にしたJIS規格制定の是非。

2. 安全衛生上最大の重要性を持ち,将来の課題となる溶接ヒュームなどから算出する溶接材料の分類。 これらについては,ISO 15011-4にも参考として記載されている事,また本JIS規格は主に溶接ヒュームを発生させる試験条件と記載するデータシートの様式を規定していることから,この規格においては,情報を正確に提供するという観点から参考として記載することで合意を得た。

 9.おわりに

本稿では,溶接材料による溶接工程において発生する溶接ヒュームに関する報告書形式を定めたJIS Z 3940 溶接ヒュームのデータシートの具体的な制定内容について解説した。

溶接材料は,広く産業界で利用されている基礎材料であり,近年の環境問題への関心の高まりと合わせて,溶接工程で発生する溶接ヒュームに関するJIS規格への関心もますます高まっていくことが予想されるため,広く関係業界のご理解を得ておきたいと考えている。溶接材料のJISの大部分は,(社)日本溶接協会と(財)日本規格協会とが共同作成で担当しており,国際規格,海外規格,国家規格及び団体規格の相互の関連についての調和を図った規格作りを推進していく所存なので,規格を活用している方々からのご意見とご支援をお願いする。

参考文献

1) (社)日本溶接協会 溶接棒部会 技術委員会 特集 溶接の今をひもとく 第1部 溶接を取り巻く今日的課題「溶接材料関連ISO/JISの動きと注意点(国際整合化に基づくJIS改正)」,溶接技術,2009年1月号,66〜74ページ

2)(社)日本溶接協会 溶接棒部会 技術委員会 「溶接材料JISの改正内容の解説」

・第1回「JIS Z 3211 軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用被覆アーク溶接棒」,溶接技術,2009年2月号,97〜101ページ

・第2回 JIS Z 3312 軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用のマグ溶接及びミグ溶接ソリッドワイヤ」,溶接技術,2009年3月号,98〜103ページ

・第3回 「JIS Z 3313 軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼アーク溶接用フラックス入りワイヤ」,溶接技術,2009年4月号,106〜110ページ

・第4回「ステンレス鋼溶接材料」,溶接技術,2009年5月号,114〜119ページ

・第5回「低合金耐熱鋼用溶接材料」及び「サブマージ溶接材料」,溶接技術,2009年6月号,134〜142ページ

・第6回「Ni-Ni合金用溶接材料」及び「Al-Al合金用溶接材料」,溶接技術,2009年7月号,119〜124ページ

・第7回「Ti-Ti合金用溶接材料」及び「溶接及び熱切断用シールドガス」,溶接技術,2009年8月号,106〜112ページ

3)(社)日本溶接協会 溶接棒部会 技術委員会 「溶接材料ISO整備とISO整合化JIS改正の最新状況」 溶接技術,2010年4月号,79〜85ページ

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本稿は,日本溶接協会機関誌「溶接技術」2010年7月号に掲載されたものをもとに,
直近の動向を踏まえ一部修正しております。記述内容は2010年6月末日現在のものです。

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