(a) 紫外線
紫外線(UV : ultraviolet)は,波長の違いによる生物学的影響の違いも踏まえ,光の波長によりUVA(ultraviolet A : A領域紫外線、長波長紫外線 ; 波長320-400nm),UVB(ultraviolet B : B領域紫外線、中波長紫外線 ; 波長290-320nm),UVC(ultraviolet C : C領域紫外線、短波長紫外線 ; 波長 200-290nm)の3種類に分けられます。
紫外線は,目にきわめて吸収されやすく,強い紫外線にばく露されると角膜の表層部に障害を与えます。これは,電光性眼炎症として知られている症状で、被ばく条件によりますが,目に異物または砂が入った感じになり,涙が流れ,まぶたの痙攣(けいれん)などを伴った急性症状を呈します。
昼間会社での溶接作業中にばく露した場合,夜から深夜あるいは翌朝にかけて発症し,潜伏時間の関係で数時間後に現れる。このような症状は,通常,24時間程度持続し,通常,24〜48時間で自然治癒します。
一方,紫外線の照射を露出した皮膚に受けると,“日焼け”と同じような赤みを帯びた水腫れの症状となります。
紫外線の被曝による健康障害は,主として目,皮膚に対する傷害です(表8.1)。
表8.1 紫外線の波長による分類及び目、皮膚に対する傷害
| 波長域 | 波長(nm) | 目の傷害 | 皮膚の障害 | |
| 急性炎症 | 慢性炎症 | |||
| UV-C | 100〜280 | |||
| UV-B | 280〜315 | 紫外線眼炎 | サーバーンメラニン新生 による二次黒化 |
皮膚内繊維の変性 皮膚老化への関与 皮膚がん発生への関与 |
| UV-A | 315〜400 | 青色光網膜傷害 紫外線眼炎 |
一次黒化 即時紅斑 |
真皮内繊維の変性 皮膚老化への関与 皮膚がん発生への関与 |
紫外線の人体に対する影響については,被曝の許容限界値がJIS Z 8812に記載されていて(表8.2),1日8時間を1期間として曝露を受ける場合の許容量が示されています。
表8.2 TLV*)と相対分光有害作用(JIS Z 8812)
| 波長(nm) | TLV(J/m2) | 相対分光有害作用 |
| 200 210 220 230 240 250 254 260 270 280 290 300 305 310 315 |
1000 400 250 160 100 70 60 46 30 34 47 100 500 2000 10000 |
0.03 0.075 0.12 0.19 0.30 0.43 0.5 0.65 1.0 0.88 0.64 0.30 0.06 0.015 0.003 |
注*)TLV:ACGIH(American Conference of Governmental Industrial Hygienists)の勧告値であり,この値は,1日(8時間)を1期間として,ばく露をうける場合の許容量である。







