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民間企業の教育に関わる社会貢献活動
「大阪大学接合科学研究所 国際溶接技術者(IWE)コースの例」

2.3 ロボット・センサほかの実験

最後に紹介するのは、ロボット・センサに関わるものです。ロボットの講義では、システム構成、制御方式(ティーチングプレイバック方式、補間動作など)をはじめ、シンクロモーション制御や、残留振動の抑制方法等の最新のロボット制御技術について解説します。ロボット溶接は普段なかなか見ることができないと思いますので、ロボットによる溶接現場のビデオを数多く紹介するようにしています。また、センサの講義では、基本的なアーク長の自己制御作用に基づくアークセンサの原理説明にはじまり、タッチセンサや、最新の非接触式のレーザセンサによる倣い制御などについて解説しています。その後、溶接ロボットのシンクロモーション制御、アークセンサによる隅肉継手の倣い溶接、レーザ・アークハイブリッド溶接システム、プラズマ切断等の実演を行っています。一例をビデオで紹介すると次のようです。

動画5は、シンクロモーションの例として、高圧バルブの鞍型溶接を示したものです。トーチの動きを、アークを発生させない空運転で示しています。マニピュレータとポジショナのシンクロモーション制御により、常に下向溶接姿勢が実現されていることがわかります。動画6は、建築の柱部材の角柱全周溶接例であり、角部をシンクロモーション制御することで、一辺毎に溶接を止めることなく、継ぎ目の無い溶接線を容易に実現しています。動画7は、建築資材の両隅肉のツインシンクロモーション溶接例です。1軸ポジショナを2台のマニピュレータとシンクロモーション制御することで、動画6のメリットを2台のマニピュレータに対して同時に実現することができ、生産性が向上することがわかります。

動画5 高圧バルブの鞍型溶接

動画6 建築の角柱全周溶接例

動画7 建築資材の両隅肉のツインシンクロモーション溶接例

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