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民間企業の教育に関わる社会貢献活動
「大阪大学接合科学研究所 国際溶接技術者(IWE)コースの例」

動画8は、上段に示した3Dレーザセンサによる開始点検出→3D倣い→終了点検出の一連動作による溶接と、下段に示したタッチセンサとアークセンサを組み合わせた溶接例とを比較し、溶接終了までの時間の違いを示しています。3Dレーザセンサの場合、非接触式のためタッチ動作にかかる空走時間を省略でき、部品一個あたりの溶接時間を短縮することができます。また、アークセンサが必ずウィービング動作が必要であることに対して、3Dレーザセンサの場合は溶接条件に対する制約が発生しないメリットがあることも示しています。動画9は、3Dレーザセンサによるアダプティブ(適応)制御例を示しています。3Dレーザセンサによりリアルタイムで開先情報を計測することができるので、ギャップ長、開先断面積等の開先情報に応じて溶接条件をリアルタイムに変更することで、溶接士が遮光面を通じて溶接部を観察しながら行うトーチ運棒を、溶接ロボットで模擬することができます。本ビデオでは、重ね隅肉継手の溶接において湾曲部に沿ってトーチ姿勢を含めた3D倣いを実現するのみならず、湾曲部で連続的に変化するギャップ長に応じて、ウィービング振幅を変化させるアダプティブ制御例を示しています。

動画8 センサ種別による作業時間の比較例

動画9 3D レーザセンサによる
アダプティブ(適応)制御例

(PCではFlashPlayer10.1以上が必要です)

3. おわりに

大阪大学で行われている国際溶接技術者コースにおける教育での企業としての協力について述べました。当社では、本コース以外にも、大阪大学工学部応用理工学科生産科学コースの3年生を対象とした工場見学を受け入れたり、溶接工学夏季大学の講師を担当したりしています。一人でも多くの卒業生・修了生の皆さんに、今後の企業での業務において有効な知識を提供できるよう取り組んでいきたいと考えています。

 

参考文献

1) 和田 宏一:溶接品質マネジメントシステム,溶接学会誌,Vol.77 (2008) No.3,pp.248-253

2) 高原 渉:WE-COMマガジン第10号 大阪大学 大学院等高度副プログラム「高度溶接技術者プログラム」,2013.10発行

3) 小溝裕一:WE-COMマガジン第6号 大阪大学接合科学研究所 国際溶接技術者(IWE)コースの現状,2012.10発行

4) 井手ら:溶接電源Welbeeインバータシリーズの開発,溶接学会全国大会講演概要,Vol.88 (2011),F.3-F.10

5) 上山 智之:アーク溶接法Ⅰ,平成23年度 溶接工学夏季大学教材,pp.67-86

<略歴>

恵 良 哲 生

1992年 三重大学大学院工学研究科電子工学専攻修了
1992年 (株)ダイヘン入社 メカトロ事業部技術部配属
2004年 同社 溶接メカトロカンパニー 溶接機事業部第二技術部 主事
2006年 同社 溶接メカトロカンパニー 溶接機事業部第二技術部 アーク制御開発グループ長
2010年 博士(工学)(大阪大学)
2013年 同社 主席技師 溶接機事業部第二技術部長,現在に至る


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