3.1 薄板−厚板間でのナゲット形成現象
板厚0.7mmの軟鋼及び板厚2.3mmの780MPa級高張力鋼板を用い、高板厚比の三枚重ね板組みとして、0.7mm+2.3mm+2.3mmの板組み(板厚比7.6)について検討した。鋼板はすべて、目付量45g/m2、両面めっきの合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
図6に、4cycles(50Hz)通電した後の溶接部断面マクロを示す。加圧力4.90kNと1.96kNのいずれの加圧力においても、通電初期に電流密度が高くなる領域である電極直下の鋼板部分で発熱が生じているが、4.90kNでは、溶接電流を11.0kAまで増加させてもナゲットは形成されていない。一方、1.96kNでは、溶接電流9.3kAで薄板−厚板間にナゲットが確認されており、1.96kN設定で長時間通電させた場合、加圧力不足のため厚板−厚板間で十分なナゲットを得ることはできないが、薄板−厚板間でのナゲット形成という観点では低加圧力設定が非常に有効であることが理解される。

図6 薄板−厚板間の溶融部形成に及ぼす加圧力の影響
(板組み:0.7mmt+2.3mmt+2.3mmt,板厚比7.6)
図7に、薄板−厚板間でのナゲット形成現象と加圧力の関係についての数値シミュレーション解析結果を示す。溶接電流9.5kAでの加圧力4.90kNと1.96kNの溶接部断面温度分布変化である。1.96kNの場合には、通電3cyclesで既に薄板−厚板間での発熱が生じ、通電4cyclesでは4.90kNと比較して薄板側のシートセパレ−ションが顕著になっていることから、加圧力1.96kNの場合、通電中に板板間の通電面積は大きく減少しているものと推定される。

図7 数値シミュレーションによる薄板−厚板間溶融部形成に及ぼす加圧力の影響
(板組み:0.7mmt+2.3mmt+2.3mmt,板厚比7.6)







