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自動車サブフレームのFSWによる
異種金属接合技術実用化

(2) ロボットを使ったFSW接合技術

量産用に、図11に示す様な産業用多関節ロボットを用いた接合システムを開発した。ツールに約10kNの加圧力をかけるには、従来は大形で高剛性のFSW接合装置を使用しなければならなかった。しかし、1500台以上/日の大量生産を既存の工場内で実現するために、設置スペースを抑制できる装置として産業用多関節ロボットを適用しようと考えた。一方、通常の産業用多関節ロボットは、その荷重に耐えられる剛性を持っていない3) , 4)。そこで、新たにC型フレームで荷重を受ける事で、直接ロボットに大きな荷重負荷がかからないようにした。また、C型フレームは、ワークとジグを一緒に挟み込む様に作用するので、接合に必要な加圧力を接合部にかける事ができる。汎用の多関節ロボットが使えるので、図12で示すようにコンパクトなスペースが可能となり、大型装置に比べて投資も抑制できた。

図11 ロボットFSW接合装置概念図

図12 FSW装置の設置面積比較

(3) 非接触非破壊検査技術

短時間に精度良く判断できる非接触非破壊検査システムについて説明する。FSW接合は外観だけで接合の良否を判定する事は困難である。そこで、品質管理として、接合中の接合状態のモニタリングを含む条件管理、インラインによる全数検査が可能な非破壊検査、抜き取りによる破壊検査(断面観察と引張強度検査)を実施する事とした。また、量産のインラインでの適用を念頭に置いていた事から、検査用の溶媒を塗布する事や水浸の必要がない技術を構築した。

本システムは、光励起熱画像解析装置(高性能赤外線カメラ)にレーザ発振装置を組み合わせた検査システムである(図13)。原理はアクティブサーモグラフィであり、被検査物に熱エネルギーを印加したときの板厚方向の情報(正常に接合されているか否か)を視覚化するシステムである。すなわち、印加した熱エネルギーを吸収した被検査物が、素材と異なる部位(界面、欠陥等)を含む接合部から熱エネルギーを自己エネルギーとして放射するのを高性能赤外線カメラで捉えて、周波数解析を行い視覚化する。本システムを用いた接合部の合否判定方法を図14に示す。接合部の断面構造と画像表示例および合否判定結果の例を示しており、ここで(A)はIMCが生成された接合部で熱伝導の大きい領域、(B)はIMCが形成されていないが密着しているおり熱伝導は(A)より低下している領域、(C)はシーラ、カチオン電着塗装、空気層などが存在し、熱伝導が極めて低い領域である。画像例は、これらの領域からの放射エネルギーの位相差を検出して合否を判断したものである。

図13 非破壊検査システムの構成

図14 接合部の断面構造と合否判定方法および画像表示例

熱励起のためにレーザを用いたのは、アルミニウムのように熱伝導が大きい場合に熱拡散が板厚方向への伝熱速さより大きいと精度が悪くなる課題を解決するためである。レーザは、エネルギー密度が高く、時間制御が容易である事から板厚方向での精度が向上する。これにより1箇所当たり約1秒で検査できるシステムが構築できた。


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