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可視化用レーザ照明を用いた
溶接現象の可視化手法

3. 撮影装置・手法

このような溶接状態の可視化に必要な装置としては、可視化用レーザ照明、バンドパスフィルタ、カメラが主な構成品となる。

 

3.1 可視化用レーザ照明およびバンドパスフィルタ

先ずは最も重要な役割を果たす、可視化用レーザ照明に関して記述する。一般的にレーザは指向性が高く、局所エリアへのポイント的な照射になってしまう。しかし、可視化用レーザは一般的なレーザとは異なり、ある程度広いエリアに面照射が可能なことが求められる。また、一般的にレーザ照明はコヒーレント性(可干渉性。光の波と波が重なり合い干渉縞が発生する。)が高いことから、干渉縞が現れ鮮明な画像取得を妨げる場合がある。このようなことから単波長でありながらコヒーレント性が低いもの、もしくは非コヒーレントのレーザ照明が望ましい。

もう一つ可視化用レーザとして大事なことが熱的ダメージへの配慮である。レーザは出力が高いほど、照明としての効果も向上するが、同時にエネルギも増大し母材への熱的ダメージが懸念される。このようなことを避けるためにも、可視化用レーザ照明は連続照射のCWタイプ(Continuous Wave:連続発振タイプ)ではなく、パルスタイプのものが必要になる。図5はCWレーザ照明のレーザ出力のイメージ図であるが、常に一定のエネルギが出力される為、積算エネルギが大きくなり、母材が溶けてしまうこともある。

図5 CWレーザ照射イメージ

これに対し、パルスレーザ照明であれば、図6に示すようにたとえ瞬間的なエネルギが強くても、極短パルスで照射することにより、積算エネルギは少なくなり、母材への熱的ダメージをほとんど与えることなく照明することが可能になる。しかし、パルスレーザを使用する場合は、カメラとの同期が可能であることも必要になる。カメラと同期がとれないと、レーザの照射タイミングとカメラの露光タイミングを合わせることが出来ず、全く撮像が出来なくなってしまう。

図6 パルスレーザ照射イメージ

バンドパスフィルタに関しては、可視化用レーザ照明の波長に合せたものを、カメラのレンズに装着し、レーザ光以外の入射が無いようにすることが留意点である。

なお、レーザの出力に関しては、できるだけ高出力のものが望ましいが、主に500Wクラスのものが使用されるケースが多い。

以上、可視化用レーザ照明のポイントをまとめると下記の通りである。

  • ① パルスレーザ
  • ② 面照射可能
  • ③ 非コヒーレント
  • ④ 高出力
  • ⑤ カメラとの同期が可能


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