新年明けましておめでとうございます。
昨年は、国内では熊本地震の発生、海外では予想に反してトランプ氏が次期米国大統領に選出されて為替相場が変動するなど、政治・経済の先行きに不透明感がただよう年となりました。
そのような中、日本溶接協会の諸事業は、2020年東京五輪に向けた建設工事などの増加やインフラ整備にともなう溶接施工管理の重要性の再認識なども加わり、溶接技能者・管理技術者を中心とする各種認証事業が順調に推移しております。
一方、建築鉄骨、造船業界における技能者の逼迫は昨年よりもさらに顕著となっており、国会において外国人技能実習制度関連法案の改正が成立し、国内の溶接要員の需要増加に対応する新しい動きも出てきております。
こうした社会情勢の下、産業界はもとより、社会全体における「溶接」の認知度の向上と、関係ネットワークの拡大を目的として、日本溶接協会では従来から広報活動に注力して参りました。昨年はこれまでに加え、特に、溶接界において女性の進出を促進する施策を中長期戦略として企画・立案し、今まで以上に女性が溶接界で活躍できる仕組みづくりに着手しました。また、工業高校生や中学生などの次世代を担う若手に対しても、「ものづくり」の重要性や溶接がいかに生産技術として多方面に活用されているかなどの認識を広めるための活動にも着手しております。
WE-COM活動は溶接管理技術者への情報発信やサービス提供の一環として、WE-COMマガジンの発行並びに技術相談を着実に継続して参りました。3ヵ月毎に発行されるWE-COMマガジンは、発刊から5年が経過し、記事の質向上やバリエーション拡大が更に進んで参りました。WE認証者の経験談や“浪速博士の溶接がってん”など、記事の親しみ易さも手伝って、読者の皆様のお役に立つコンテンツとして好評をいただいております。
さらに、日本溶接協会では一昨年より、大学・高専などの教育機関の研究者を対象に毎年10人に研究助成を行っており、その成果をレポート(報告書)にまとめて一般公開するなど、溶接管理技術者の制度運営やWE-COM活動だけでなく、各種の専門部会、研究委員会活動、規格関係事業などを、関係各位のご協力とご尽力によって活発に進めることが出来ております。ここに改めて感謝を申し上げる次第です。
本年もこれらの活動をより一層活発に展開し、溶接ファミリーの一層の拡大に努めていく所存です。
最後になりましたが、当協会の活動に対しご協力、ご尽力いただいている皆様方に感謝申し上げますとともに、本年が皆様方により良い年となりますよう心から祈念いたして、新年のご挨拶といたします。