相談例35.フレア溶接の品質保証について
曲げた板の外側を溶接するV形及びレ形フレア溶接において、品質保証の観点から、溶込み深さをいくらにすべきかで困っています。JIS Z 3021 : 2016 溶接記号 表1 基本記号の図示では、V形フレア溶接(No.8)で接点が未溶融となっていますが、No.9のレ形フレア溶接(No.9)は接点が溶融しています。フレア溶接では、接点までの溶融が必要かどうか。また、いくらの溶込み深さが必要かを教えて下さい。
回答
JIS Z 3021 : 2016 「溶接記号」では、5.4.4 ”フレア溶接”の項で、フレア溶接は必ず溶接深さを表示すると規定されています。また、溶接深さは表5の No.1.6(V形フレア)および No.1.7(レ形フレア)に図示されています。
どのような溶接品質を要求するかは、図面に記載されていなくてはなりません。図面を見て判らないなら、設計者に要求品質を確認せねばなりません。個々の溶接継手により、供用中の負荷荷重形態(静的および動的)は異なり、溶接継手に必要とされる溶接品質も異なります。従って、フレア継手で、溶接深さをいくらにすべきかは設計者でないと正確に判断できません。溶接深さの図面指示がない場合は、設計者と相談して決めて下さい。