高電圧期間では、動画4に示すようなローテーティング移行とよばれる特徴的な溶滴移行形態を利用することにより、図6(a)のように、回転するアークで溶融金属の側壁を支え、埋もれ空間を安定化することができる。
しかしながらローテーティング移行では、アークによる入熱が埋もれ空間の側壁方向に集中するため、深い溶込みが得られず、比較的広くて浅い溶込み形状となる。そこで低電圧期間では、移行形態としてドロップ移行を利用し、図6(b)のようにアークを下向きにすることで母材深部に入熱を与え、深い溶込みを確保している。
動画4 ローテーティング移行の観察動画

図6 電圧振幅制御におけるアーク現象
このように電圧振幅制御では、高電圧期間におけるローテーティング移行と、低電圧期間におけるドロップ移行を繰り返し利用することで、埋もれアークの安定化と深い溶込みの両方を実現している。動画5に、電圧振幅制御を用いる場合と用いない場合の溶接安定性の比較動画を示す。電圧振幅制御を用いた場合は、埋もれ空間・溶融金属が安定していることがわかる。また、電圧振幅制御を用いた場合のアーク現象を、より遅い再生速度で再生した動画を動画6に示す。図6で図示したように、高電圧期間でローテーティングアークにより埋もれ空間の側壁が支えられる状態と、低電圧期間でアークが下向きになり母材深くに入熱が与えられる状態が、周期的に繰り返されているのが確認できる。
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(a) 電圧振幅制御なし |
(b) 電圧振幅制御あり |
動画5 埋もれアークの安定性比較動画
動画6 電圧振幅制御を用いた場合のアーク現象観察動画(低速再生)
以上が、電圧振幅制御による埋もれアーク安定化のメカニズムである。電圧振幅制御を用いることにより、図7に示すように、ビード形状の改善やスパッタ発生量の低減を実現することができる。

図7 ビード外観の比較











