寄せられる相談の最近の傾向は、金属材料分野と施工管理分野が主体になっています。技術相談が発足時に目論んだ『実務で生じる技術問題へのサポート』に合致するものであり、会員の皆様の溶接技術を駆使した生産活動にお役に立っていると想像しています。溶接協会のこの活動が実質的に実りのあるものにするには、寄せられる相談が架空の案件ではなく、実際に生じたものであることが重要です。
この事例集は、皆様の相談の中から実務に役立つと思われる案件を掲載しています。現時点で、技術相談がスタートして6年ですが、今後もこの連載による啓蒙活動は続ける予定です。これからさらに5年、10年経過したあかつきには、溶接技術を利用した生産活動で参考になる多くの案件が集積できると考えています。そして集大成した『技術相談事例集』は、皆様の生産活動の一助になることでしょう。
『技術相談』は、皆様の今の問題を解決するだけではなく、長期的には日本全体の溶接技術の底上げに寄与することにつながります。多岐にわたる多くの相談が寄せられることを期待いたします。
相談例37.水素ぜい化が懸念されるチタンの溶接について → 2
相談例38.溶接条件の適切性を評価するための
ステンレス鋼溶接部の組織観察 → 3