6.4 フラットパネルを用いた電子部品の検査
図9に示したフラットパネルは、小さなセンサが図17に示すようにアレイ状に並んだ構造になっている。それぞれのセンサが画素となるため分解能に限界があり、微細なきずを検出するのが困難な場合がある。この問題を解決する方法のとして微小焦点(マイクロフォーカス)X線装置による拡大撮影が挙げられる。

図17 フラットパネルの構造
図18に示すように、試験対象物を線源(X線の焦点)に近づけて、検出器を離れた位置に配置することによって拡大した画像が得られるが、このときボケのない鮮明な画像を得るためには、X線の焦点を小さくすることが有効である。

図18 マイクロフォーカスX線撮影の原理
図19に電子部品を拡大撮影した例を示す。いずれも微細構造部やワイヤボンディングの不具合などが容易に検出できる。近年、実装回路基板上に球状のハンダボールを並べて接合するBGA(Ball Grid Array)構造が多く用いられているが、通常の大きさの画像で確認できない健全性を評価するのに有効である。

図19 マイクロフォーカスX線による電子部品の拡大撮影
また、最新のX線検出器として、図20に示すテルル化カドミウム(CdTe)を用いる方法が開発された。従来のフラットパネルで用いられていたシンチレータが不要で、放射線をそのまま受光する直接変換方式で、図21のようにBGA構造のはんだ部を斜めから観察しても画像の滲みがなく、より信頼性の高い検査が可能となった。

図20 CdTeを用いたX線検出器

図21 BGA接合部の画像の改善
6.5 ラインセンサの応用7)
空港の手荷物検査装置に用いられているもので、フラットパネルのような平面画像が得られるエリアセンサに対して、図10に示したように1次元データが得られることからラインセンサと呼んでいる。2次元画像を得るためには、センサ又は対象物をセンサの長手方向と直交する方向に移動させることが必要である。
図22はセンサを動かすパネル状のものを、図23は製造ラインの検査で対象物を移動させる場合を示している。また、動画1にように大型の対象物を一枚の画像に再現する場合にも適している。

図22 センサを移動させるタイプ

図23 製造ラインへの適用
動画1 大型対象物への適用
(図をクリックすると動画が再生します)
溶接部に適用する場合は、図24のようにセンサを溶接線に対して直交するように配置し、スキャナで溶接線方向に移動させる必要がある。溶接部の透過写真画像の例を図25に示す。

図24 溶接部への適用

図25 溶接部の透過写真の例









