相談例42.裏はつり時の開先角度の管理について
突合せ継手の両側溶接で、裏はつりを行っています。裏はつり時に、開先角度を管理する必要があるのでしょうか。溶接前の開先検査において、開先角度は開先管理項目の一つですが、裏はつり後の検査として、開先角度の管理は不要と思っています。裏はつり時の開先管理について教えて下さい。
回答
裏はつりの目的は、初層溶接部の欠陥除去と、裏溶接の際に欠陥を生じないように裏開先の底部をU形、または上の広がったU形にすることです。開先角度を管理するに越したことはありませんが、ガウジング作業では正確な開先角度管理は困難であり、裏側からの溶接で欠陥を生じないような適切な開先形状にすれば十分な事から、開先角度管理が要求されていないものと考えられます。
発電用設備の検査に関する規定では、溶接部の開先の項に「裏はつりをする場合は、幅、深さが溶接検査計画書に適合するものであること」とあり、図面などであらかじめ計画された幅、深さが指示されているものの、開先角度については書かれていません。
以上より、ガウジングによる裏はつり時の開先管理については、幅と深さを管理し、開先角度については特に管理されていないのが実態です。
なお、多くの場合、裏はつり時に目視で開先形状を自主検査していますが、形状金型を用いて裏はつり形状を管理するのが有効です。