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第16回

相談例47.被覆アーク溶接棒の誤使用防止対策について

被覆アーク溶接棒の誤使用防止対策として、棒端色による識別管理および入出庫の記録を行っています。しかし、溶接技能者の思い込みやうっかりミスによって誤使用する事を心配しています。誤使用防止対策ならびに被覆アーク溶接棒の管理について教えて下さい。

回答

被覆アーク溶接棒の管理は材料管理として重要であり、誤使用防止対策を含め一般的には次のようなことを行います。

・被覆アーク溶接棒の銘柄ごとに識別色、乾燥温度と乾燥時間/保温保管温度を示したリストを作成し、溶接棒の管理場所に掲示する。
・乾燥庫の扉には、銘柄、棒径、乾燥庫への入庫時間を表示する。初回乾燥用と再乾燥用乾燥庫は分ける。
・溶接技能者は、払出時に指示通りのものであるかを確認し、払出用の帳票などに記録する。
・可能であれば、被覆アーク溶接棒の払出しは、監督者または専任の担当者など指名された者が行う。
・使用期限を超える被覆アーク溶接棒は定期的に棚卸しして、処分する。

この機会に、被覆アーク溶接棒の管理手法を明文化し、品質管理体制を構築される事をお勧めします。

なお、以上の対策を取っても、ヒューマンエラーが生じる恐れがありますので、日頃から次のような注意喚起をされるのが良いと考えます。

・過去の被覆アーク溶接棒の誤使用による失敗事例を纏め、教育を行う。
・ヒューマンエラーを起こしやすい日(連休明け等)があるので、そのような日は朝礼で注意喚起する。
・人は体調不良時や悩みのある時には、エラーを起こしやすいので、朝礼時に溶接技能者の体調をチェックし、適切なアドバイスをする。
・人間の性格上、エラーを起こしやすい人がいるので、そのような人に対しては、さり気無くダブルチェックで確認するようにする。


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