2. 実験方法
エレクトロスラグ溶接の溶融部を直接観察するために図2に示す観察ジグを作製した。このジグは、母材を水冷銅板で挟み込み、固定する構造となっており、片側の水冷銅板には観察窓である耐熱ガラスを設置するスペースを設けている。
図2 観察ジグ
溶接トーチを開先内に挿入し、フラックスを投入したのち通電を開始し、溶接トーチを上方へと移動させて溶接を行っている。開先中心にて通電を開始し、スラグ浴を十分に安定して形成させ、溶融部が観察窓のある高さまで移動した後、図3に示すように、溶接トーチをワイヤが観察窓表面に接するまで観察窓方向へと移動させる。この時のワイヤ近傍の様子を観察窓越しにカメラで撮影し、その挙動について考察した。なお、本研究においては、ガスメタルアーク溶接用の溶接電源および溶接トーチを用いて実験を行っている。
図3 観察方法