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摩擦攪拌接合における塑性流動の可視化技術

8. おわりに

開発を進めてきたFSW可視化システム(Visual FSW)について、流体の物理、作動流体選定指針、流動可視化システムの構成、流動観察の実例、接合ツール設計スキーム、ダブルスパイラルツールの実例、ならびに今後の展望を述べた。

可視化データは接合現象の物理モデル構築の手助けになり、接合プロセスの最適化指針のヒントを与えてくれる。現時点では、金属の高温変形と物理的相似性を保証した流体の開発には至っていないが、経験的に積み上げられてきたFSW塑性流動の知見と類似した流動挙動を再現する段階には到達できていると考えている。今後、作動流体開発を進めて、直接・間接観察技術によるデータとの相互補完を展開し、異種材料FSWに有効なツール形状設計指針ならびに接合プロセス設計指針の提言へと歩を進めFSW技術の発展に貢献したい。

拙稿がFSW技術者の興味を喚起し、可視化技術への参画を促すこととなれば幸いである。

謝 辞

本開発研究の一部は「とやまアルミコンソーシアム事業」の補助による。ここに謝意を表する。


< 参考文献 >

1) 馬場(2006)、「摩擦攪拌接合-FSW-のすべて」、産報出版

2) 時末(2005)、「FSW(摩擦攪拌接合)の基礎と応用」、日刊工業新聞社

3) 千野(2006)、「摩擦接合技術」、日刊工業新聞社

4) 森貞、今泉、藤井:溶接学会論文集、32(2014) , 31-37.

5) 森貞、藤井:スマートプロセス学会誌、6(2017) , 12-16.

6) 森貞、藤井:FSWにおける可視化技術のステート・オブ・ジ・アート, 溶接学会誌, 82-2(2013), 105-108.

7) Seidel and Reynolds: Metall. Mater. Trans. A 32A (2001), 2879-2884.

8) Morisada, Fujii, Nagaoka, Nogi and Fukusumi: Composites A, 38(2007), 2097-2101.

9) 千々岩、畑村、鈴木:鉄と鋼、66(1980) , 49-58.

10) 桑原田、中西、牟禮、松本:日本塑性加工学会誌、51(2010), 102-106.

11) 伊藤(1972)、「科学技術者のための流体工学」、科学技術社

12) 国清、木本、長尾(1971)、「水力学」、森北出版

13) 40周年記念事業実行委員会記念出版部会(1991)、「アルミニウムの組織と性質」、軽金属学会

14) 朝長、高野、川西、山根、柴柳:溶接学会論文集、38-1(2020), 34-40.

15) 川西祥一(2018)「擬塑性流体を用いたFSWにおける流動現象の可視化及びツール形状最適化指針の策定」修士論文、富山大学

16) 新亮也(2018)「A5083A1合金とAZ31Mg合金の摩擦攪拌接合における欠陥形成への接合条件の影響」卒業論文、富山大学

17) 高野有紗(2019)「塑性流動の制御による同種・異種摩擦攪拌接合継手の欠陥抑制」卒業論文、富山大学

18) 森優詞(2020)「透明作動流体を用いた摩擦攪拌接合における塑性流動の可視化とそれによるツール形状最適化指針の策定」卒業論文、富山大学

< 略 歴 >

山 根 岳 志
(やまね たけし)

1993年3月 富山大学 工学部 化学工学科 卒業(学士(工学))

1995年3月 富山大学 大学院 工学研究科(修士課程)
化学工学専攻 修了(修士(工学))

1995年4月 富山大学 工学部 物質工学科 助手

2002年3月 博士(工学) 取得

2017年4月 富山大学 都市デザイン学部 材料デザイン工学科 助教

現在に至る


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