新年明けましておめでとうございます。
昨年から続くコロナ禍は当協会に対しても大きな影響がありました。このような中、いかにサステイナブルな事業体制を構築し、溶接界の皆様方によりよいサービスを提供するかに腐心した1年となりました。特に、溶接技能者認証試験は4月中旬から5月末まで全国一斉の中止を余儀なくされました。これにより1万7千人の受験者に影響が出ました。当協会では、確固たる感染防止ガイドラインを策定した上で、試験を再開しました。受験者数は急回復しているものの、影響は来年度も続くことが予想されますが、更新手続きを延長する対応も含めて、溶接技能者、溶接管理技術者の皆様への影響が最小限となるよう、務めてまいります。
溶接技能者教育は、初心者教育と専門家教育の両面で取り組んでいます。3年前から始めた初心者教育は指定機関等の関係団体のご支援のもと、全国的な広がりを見せており、これまで1千人を超える方々に受講していただきました。JIS検定の学科試験免除も可能でご好評をいただいており、ステンレス鋼溶接を科目に加えるなど、充実を図っています。
認定・認証事業に関しては、コロナ禍で浮き彫りにされた問題点を改善し、むしろこれを契機として事業のサステイナビリティーを確立することが極めて重要です。その一環として、溶接技能者の受験者サービス・認証品質向上と効率化を目指し、受験手続きのウェブ申請化の準備を進めております。コロナ禍の影響もあって当初の予定より遅れておりますが、本年中には一部地区で先行して運用を開始する予定です。
WE-COM活動については、マガジン発行が今回で第39号を迎え、創刊から約10年が経ちました。ウェブマガジンとして、最新の溶接・接合を取り巻く課題やトピックスの掲載を心がけております。特に、『溶接技術コミック“浪速博士の溶接がってん!Ⓡ”』は、溶接・接合に関わる現場での疑問を、コミックによって動画も交えながら分かりやすく解き明かす展開を紹介し、毎号ご好評を頂いております。
特集記事では、図表や写真のみならず動画をリンクさせ、「摩擦攪拌接合」,「溶接構造物のアレスト性」,「プラント圧力設備」,「非破壊検査技術の最新動向」等々のトピックスを取り上げ、ウェブ版ならではの教育コンテンツとして、技術情報配信に努めております。
また、溶接管理技術者の方々へのインタビューや体験紹介記事では、溶接管理技術者資格登録者の溶接教育にかける情熱や、携わってきた溶接施工現場の苦労談をまとめて頂いております。さらに、皆様方が『技術相談』コーナーにお問合せ頂いたものの中から選び、溶接・接合技術の一般的な疑問点として紹介させて頂いております。WE-COMマガジンはスマートフォンでも閲覧できますので、溶接管理技術者の方々には、是非WE-COM会員へのご登録を頂いて、日常業務の情報源として活用して頂ければ幸いです。
最後になりますが、当協会の活動に対してご支援、ご協力を頂いている皆様方に心より感謝申し上げますとともに、本年が皆様方にとってより良い年となりますよう祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。