1. 改正の背景と経緯
国内規格(JIS)の国際規格 (ISO) への整合化は、日本政府の基本方針であり、日本製品の国際市場における円滑な経済取引を保証するためのものである。
そのため、各種溶接材料のJIS改正が順次進められている。溶接用シールドガスについては、国際規格ISO14175が1997年に初めて制定され、それに伴いJIS Z 3253が2003年に制定されている。
その後、2008年にISO14175の大幅見直しが行われたため、それに対応して2011年にJIS改正がなされた。この改正では、ガスの種類・品質については、国際規格を翻訳し、技術内容を変更することなく、一方ISOでは規定されていない試験方法ほかを日本独自のものとして追加している。
2. 改正の主な要点
① 酸素の規定が追加された。プラズマ切断およびレーザ切断を対象としたものであり、ガス切断は対象から除かれている。
② ガス分類区分の数が改正前の20から31に大幅に追加され、ガス濃度の範囲が細分化された。特にマグ溶接で使用される混合ガス、すなわち不活性ガス(アルゴンなど)と酸化性ガス(炭酸ガスなど)での組成が細かく分割されている。
3. 改正JIS Z 3253の内容
3.1 適用範囲
この規格で対象としているガスは下記に示す項目のものである。なお、ガス溶接・ガス切断に使用する燃料ガス、溶射に使用するガス、レーザ発振用ガスおよびプラズマ切断・レーザ切断に使用する空気は含まれていない。
① マグ・ミグ・ティグ溶接でのシールドガス
② プラズマ溶接での作動ガス・シールドガス
③ プラズマ切断での作動ガス・アシストガス
④ レーザ溶接でのシールドガス
⑤ レーザ切断でのアシストガス
⑥ アークろう付・レーザろう付でのシールドガス
⑦ バックシールドに使用するシールドガス







