WE-COM 最新号トップへ(WE-COM会員のみ) | この号のトップへ | WE-COM バックナンバートップへ

第19回

相談例55.溶接施工法試験の溶接姿勢について

JIS3422-1に従って、溶接施工法試験を実施する場合、管の試験溶接実施時の溶接姿勢は水平回転溶接でいいのでしょうか? 弊社は工場溶接が主であり、主に水平回転溶接を行っております。それとも溶接技術検定で要求される全姿勢での溶接が必要なのでしょうか?

回答

実際に行う溶接姿勢が書いてありませんが、下向姿勢で溶接されるものとして回答します。

JIS Z 3422-1:2003 では、8.4.2溶接姿勢の承認範囲について、次のように規定しています。

「衝撃試験及び硬さ試験のいずれに対する要求事項が規定されていない場合は,いずれか1つの姿勢の溶接(管又は板)の承認で,すべての姿勢の溶接(管又は板)に関しても承認されたこととする。衝撃試験及び/又は硬さ試験の要求事項が規定されている場合,全姿勢を承認するためには,衝撃試験は,最大溶接入熱を与える姿勢で行われた溶接部から採取した試験片を用い,また,硬さ試験は,最小溶接入熱を与える姿勢で行われた溶接部から採取した試験片を用いる。

二つ以上の姿勢の承認が必要な場合は,衝撃試験及び硬さ試験両方の要求事項を満足するために,異なる溶接姿勢で作られた2つの試験材を要求する。また,全姿勢の承認が必要な場合は,この二つの試験材を用いてすべての目視試験及び非破壊試験が行われなければならない。

備考  衝撃試験及び硬さ試験以外の破壊試験用試験片は,二つの試験材のうちのいずれか1つから採取してよい。また,いずれか1つの試験材の長さは,規定より短くてもよい。」


以上の規定から、相談の溶接で、衝撃試験及び硬さ試験が要求されない場合には、下向姿勢の試験だけで、全ての溶接姿勢が承認されます。実際に行う溶接姿勢で試験すれば、全ての溶接姿勢が認められます。しかし、衝撃試験や硬さ試験が要求される場合には、最大溶接入熱や最小溶接入熱となる溶接姿勢で試験せねばなりません。判り易く補足しますと次のようになります。

①衝撃試験だけが要求される場合に、全溶接姿勢の中で下向姿勢が最大溶接入熱としますと、下向姿勢で試験しますと全溶接姿勢が認められます。下向以外の他の溶接姿勢で試験すれば、試験した溶接姿勢だけが認められます。
②硬さ試験だけが要求される場合に、全溶接姿勢の中で上向姿勢が最小溶接入熱としますと、上向姿勢で試験しますと全溶接姿勢が認められます。他の溶接姿勢で試験すれば、試験した溶接姿勢だけが認められます。すなわち、下向姿勢で試験すれば、下向姿勢だけが認められます。
③衝撃試験と硬さ試験が要求される場合に、下向姿勢が最大溶接入熱、上向姿勢が最小溶接入熱としますと、下向姿勢と上向姿勢の両方で試験すれば、全溶接姿勢が認められます。下向姿勢で試験すれば、下向姿勢だけが認められます。

なお、試験片の採取位置は JIS Z 3422-1 の図7を参考にして下さい。

※リンク先の日本産業標準調査会で公開されているJISの閲覧には、同調査会のユーザ登録が必要です。(溶接情報センターIDでは不可)


(WE-COM会員のみ)