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第19回

相談例56.ASME Sec IX 溶接技能認定の要求事項と認定範囲

ASME Sec IXに準拠したWPQの認定取得のための計画をしています。次の疑問点について教えて下さい。

(1) QW-302.2 Volumetric NDEの種類について

QW-302.2の項目で参照されているQW-191を確認すると放射線透過検査(RT)と超音波探傷検査(UT)の2種類がVolumetric NDEとして記載されています。このどちらかを使えば認定されると考えて良いのでしょうか?

(2) GMAWの短絡移行に対するASMEの考え方

手溶接技能者のWPQの技能試験では、機械試験の代わりにVolumetric NDEで判定できることになっていますが、GMAWの短絡移行ではRTの使用が認められていません(QW-304)。 UTによる判定が認められるのであればUTを実施する予定です。

(3) QW-452 Performance Qualification Thickness Limits and Test Specimensにおける認定される外径について

QW-452.3では試験材の外径に対して認定される外径の規定がありますが、試験材として板材を使用した場合はどうなるのでしょうか?そもそも板材で技能試験をした場合、配管は認定されないということでしょうか。

回答

(1) QW-302.2 Volumetric NDEの種類について

QW-302.2では、「試験方法及び合否基準はQW-191に従う」と記載されているだけで、使い分けについては特に規定していません。また、試験方法については、QW-191.1で“RTはASME Sec.V, Article 2”に、“UT はASME Sec.V, Article 1 T-150、Article 4”に従うとだけ記載されています。なお、UTは材料の厚さが6mm(1/4インチ)以上と適用範囲が制限されていますが、それ以上の使い分けについては記載されていません。従って、RTまたはUTのいずれかを使って認証することは問題ないと考えられます。

(2) GMAWの短絡移行に対するASMEの考え方

QW-304では、volumetric NDEでの認証が可能との規定で、GMAWの場合、短絡移行モードのRTは除外されているものの、UTについては記載がありません。このためGMAWの短絡移行において、UTでの認証はできると考えられます。

(3) QW-452 における認定される外径について

Table QW-452.3には試験材の外径に対して作業範囲が規定されています。試験材が板材の場合、管の径についての作業範囲の規定がないため、板材を試験材とした場合は、管を作業範囲とすることはできないと考えられます。


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