相談例59.当て板の全周溶接におけるガス抜き穴について
圧力容器の製作で、ノズルや支持部材等に当て板を全周溶接する場合、通常ガス抜き穴が設けられています。このガス抜き穴について、次の2点を教えて下さい。
① ガス抜き穴を設ける理由は何ですか。
② ガス抜き穴を設ける基準として、何かあるのでしょうか。
回答
次の回答を参考にガス抜き穴を設けて下さい。
① ガス抜き穴がないと、当て板とノズル等の隙間に存在する空気が溶接熱で高温になり、溶接最終部で高温空気が噴出するために、溶接欠陥が生じ易くなります。この為に、必要に応じてガス抜き穴を設けています。
②ガス抜き穴を設ける基準(穴が必要な条件、穴の位置や大きさ等)はありません。施工者が経験的に決めているのが実情です。
ガス抜き穴の施工条件例を次に示します。
・穴径は、ドリル等で容易に穴加工できる大きさで、径3mm程度。
・穴の位置は、当て板の中央部付近に1か所。
・当て板の上に、何か部品(支持構造物等)が取りつく場合には、その位置を避けて穴を設ける。