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第20回

相談例59.当て板の全周溶接におけるガス抜き穴について

 圧力容器の製作で、ノズルや支持部材等に当て板を全周溶接する場合、通常ガス抜き穴が設けられています。このガス抜き穴について、次の2点を教えて下さい。

① ガス抜き穴を設ける理由は何ですか。

② ガス抜き穴を設ける基準として、何かあるのでしょうか。

回答

次の回答を参考にガス抜き穴を設けて下さい。

① ガス抜き穴がないと、当て板とノズル等の隙間に存在する空気が溶接熱で高温になり、溶接最終部で高温空気が噴出するために、溶接欠陥が生じ易くなります。この為に、必要に応じてガス抜き穴を設けています。

②ガス抜き穴を設ける基準(穴が必要な条件、穴の位置や大きさ等)はありません。施工者が経験的に決めているのが実情です。


ガス抜き穴の施工条件例を次に示します。

・穴径は、ドリル等で容易に穴加工できる大きさで、径3mm程度。

・穴の位置は、当て板の中央部付近に1か所。

・当て板の上に、何か部品(支持構造物等)が取りつく場合には、その位置を避けて穴を設ける。


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