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アーク溶接作業の安全と衛生
(第2回)

(4) 構造及び動作原理

電防装置の構造概要を図4-1に,作動原理を図4-2に示す。

図4-1

図4-2

電防装置の無負荷電圧は,構造規格第12条において“装置の安全電圧は,三十ボルト以下でなければならない。”と定めています。JISでは,安全電圧を25V以下としていますが,構造規格では,溶接機の入力電圧の変動を考慮し,いかなる場合においても30V以下でなければならないとしています。

原理は,溶接棒を母材に接触させると,二次側の回路に電流が流れ,これを検出した制御装置の働きでS1が閉じ一次側に正規の電圧が加えられてアークが発生できる状態になります。(このとき,補助接点S2は開放されます。)

母材に接触させてからS1が閉じアークが発生するまでの時間を始動時間と呼び,0.06秒以内と定められています。アークが発生するとアーク電圧が保たれます。

アークを休止させる(切る)と,制御装置の働きで,約1秒後(JISでの定め,構造規格では,最長1.5秒と定めています。)(この時間を遅動時間という。)にS1が開き(S2が閉じ),溶接棒と母材間との電圧は,再び30V以下の低い電圧になります。

遅動時間の標準を約1秒に設定してあるのは,タック(仮付)溶接などのように,アークを切る頻度の多い施工の場合に,アークを切るたびに主接点を開けますと,次のアークを発生する際に,本装置を再び始動させなければならなくなり,作業性の低下及び主接点の消耗を早めるなどの不都合を生じるためです。だからといって,あまり長時間に設定しますと,電撃の危険性を増すことになりますので,総合的に勘案して最長1.5秒と定められているのです。

(5) 使用義務

次の場所・条件下で交流アーク溶接機(自動溶接機を除く。)を使用する場合には,安全衛生規則第332条及び第648条において電防装置の使用が義務付けられています。

① 船舶の二重底若しくはピークタンクの内部,ボイラーの胴若しくはドームの内部  等導電体に囲まれた場所で,著しく狭あいなところ。

② 墜落の危険がある高さ2m以上の場所で,鉄骨等導電性の高い設置物に作業者が接触するおそれがあるところ。


(WE-COM会員のみ)